香港(CNN) 中国政府は28日、習近平(シーチンピン)国家主席とトランプ米大統領は最近電話会談を行っていないと発表し、両国間の関税戦争解決に向けた協議は行われていないことを改めて強調した。
この発表は、トランプ氏が25日にタイム誌のインタビューで答えた、習氏から電話があったとの主張を全面的に否定するものだ。世界の2大経済大国である米中は、依然として極めて高額な貿易関税をめぐる対立に陥っている。
中国外務省の郭嘉昆副報道局長は定例記者会見で、「私の知る限り、両首脳の間で最近電話会談は行われていない」とし、「中国と米国は関税問題に関する協議や交渉を行っていないことを改めて強調したい」と述べた。
トランプ氏は先週、習氏を交渉の場に連れ出すため、中国製品に対する米国の高額な関税は「大きく下がる」と述べたほか、交渉のテーブルでは「とても親切に」振る舞うと約束するなど発言を軟化させている。しかし中国は貿易戦争に関して強硬な姿勢を崩していない。
トランプ氏はタイム誌のインタビューで、習氏について、「彼から電話があった。これは彼の弱さの表れではないと思う」と語った。同氏は習氏を何度も「友人」と呼んできた。
インタビューでは、電話の内容や日時について具体的な言及を避け、CNNの取材にも詳細を明かさなかったが、「彼とは何度も話をしている」とだけ述べた。
公開記録によると、両首脳が最後に電話で会談したのは1月17日。トランプ氏の2期目の就任式の数日前だった。
トランプ氏は先週以降、政権が貿易協定締結に向けて中国当局と協議していると繰り返し表明しているが、そのたびに中国側はきっぱり否定している。
タイム誌のインタビューが公開される数時間前、中国外務省は米国に対し「国民を誤解させる」べきではないとけん制した。
トランプ氏が貿易戦争の緩和に意欲を示しているように見える一方で、中国政府はこれを一蹴し、米国に対し対中関税の全面撤廃を要求している。