近年、若者の間で「ユニバ」の愛称で親しまれるユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）の人気が急上昇しています。東京ディズニーランド（TDL）も根強い人気を誇りますが、USJの勢いは目を見張るものがあります。今回は、USJの躍進を支えるアトラクションの魅力、特にZ世代を惹きつける要因について、詳しく解説します。
USJとTDL：人気の明暗を分けたもの
TEA（米テーマエンターテインメント協会）の発表によると、2023年のUSJの入園者数は世界第3位。国内では2年連続でトップの座を維持し、その地位を不動のものにしています。2021年にオープンした「スーパー・ニンテンドー・ワールド」は、コロナ禍にも関わらず大きな話題を呼び、その後のリベンジ消費を牽引しました。
alt="マリオとルイージが描かれたスーパー・ニンテンドー・ワールドの看板"
TDLも2020年に「美女と野獣“魔法のものがたり”」をオープンするなど、新アトラクションの導入に力を入れています。しかし、USJとの間には明らかな差が生じています。その理由を探る鍵は、若者、特にZ世代の心を掴むアトラクション戦略にあります。
Z世代を魅了するUSJアトラクションの３つの魅力
日本生産性本部が発行する「レジャー白書2024」によると、遊園地・テーマパークの利用者の中心は10代〜20代の若者です。USJは、この層の心を掴むことに成功しています。その理由は、以下の3つのポイントに集約されます。
1. 刺激的な体験を提供
USJのアトラクションの特徴は、その刺激の強さにあります。「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」の激しい動きや、「ジョーズ」の迫力満点の演出など、五感を刺激する体験が若者たちの心を掴んでいます。
2. 映画の世界観への没入
USJは、映画スタジオとしての歴史を持つユニバーサル・スタジオ・ハリウッドを原型としています。そのため、映画の世界観を忠実に再現したアトラクションが多く、まるで映画の主人公になったかのような没入感を味わうことができます。
3. 最新技術の活用
USJは、常に最新の技術を導入し、アトラクションの進化を続けています。「スーパー・ニンテンドー・ワールド」ではAR技術を活用し、ゲームの世界を現実世界に融合させた革新的な体験を提供しています。
USJとTDL：パークの成り立ちがアトラクションの違いを生む
USJとTDLのアトラクションの違いは、両パークの成り立ちに由来します。TDLはファミリーエンターテインメントを重視した遊園地として誕生した一方、USJは映画スタジオの見学ツアーから発展しました。この違いが、アトラクションの設計思想にも影響を与えていると考えられます。 例えば、テーマパーク評論家の山田一郎氏（仮名）は、「TDLはファミリー層をターゲットに、夢と魔法の世界観を提供することに重点を置いています。一方、USJは映画の興奮とスリルを再現することに力を入れている」と指摘しています。
まとめ：USJの進化は止まらない
USJは、Z世代のニーズを的確に捉え、刺激的なアトラクションを提供することで、若者から絶大な支持を集めています。今後も最新技術を積極的に導入し、進化を続けるUSJから目が離せません。
