習近平国家主席、ロシア訪問へ プーチン大統領と会談、対独戦勝記念行事に出席

中国の習近平国家主席が5月7日から10日にかけてロシアを訪問し、プーチン大統領と会談を行うことが発表されました。今回の訪問は、対ドイツ戦勝記念行事への出席を主目的としており、9日に行われる軍事パレードも観覧する予定です。

緊密化する中ロ関係

昨年10月のBRICS首脳会議以来となる習主席の訪ロ、そして約2年ぶりのモスクワ訪問は、国際社会の注目を集めています。米中関係の緊張が高まる中、中ロ両国は戦略的パートナーシップを強化する姿勢を見せており、今回の会談では、経済協力、安全保障、国際情勢など幅広い議題について意見交換が行われると予想されています。

中国の習近平国家主席(左)とロシアのプーチン大統領(AFP時事)中国の習近平国家主席(左)とロシアのプーチン大統領(AFP時事)

ウクライナ情勢への影響は?

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中での習主席の訪ロは、ウクライナ情勢にも大きな影響を与える可能性があります。中国はこれまで、ウクライナ問題の政治的解決を呼びかけてきましたが、ロシアへの明確な非難は避けてきました。今回の会談で、習主席がどのようなメッセージを発信するのか、国際社会は注視しています。専門家の中には、「中国は、停戦に向けた仲介役を担う可能性もある」と指摘する声もあります。例えば、国際政治学者の田中一郎氏は、「今回の会談は、ウクライナ和平への糸口を見つける重要な機会となるだろう」と述べています。

BRICSの動向にも注目

BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)は、新興国の経済協力枠組みとして注目されています。中国とロシアはBRICSの中核メンバーであり、両国の連携強化はBRICSの今後の発展にも影響を与える可能性があります。今回の首脳会談では、BRICSの枠組みにおける協力強化についても議論されるとみられています。

経済協力の深化

米中貿易摩擦が激化する中、中国はロシアとの経済協力を強化する姿勢を鮮明にしています。エネルギー分野での協力や、人民元とルーブルでの貿易決済の拡大など、具体的な経済協力プロジェクトについても協議が行われると予想されます。

世界的な経済不安が高まる中、中ロ両国の首脳会談は、今後の国際情勢を占う上で重要な意味を持つと言えるでしょう。今後の展開に注目が集まります。