60歳退職、住宅ローン1000万円…老後破綻しないための賢い対策とは?

定年退職を目前に控え、住宅ローンが1000万円も残っている…将来への不安に押しつぶされそう、そんな方も少なくないのではないでしょうか。人生100年時代と言われる現代、60歳はまだまだ人生の折り返し地点。豊かなセカンドライフを送るためにも、早めの対策が肝心です。この記事では、60歳からの住宅ローン返済におけるリスクと、賢く乗り切るための具体的な対策方法を分かりやすく解説します。

老後も安心!住宅ローン返済の不安を解消する方法

60歳で退職を迎えても、住宅ローンが残っているのはもはや珍しいことではありません。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査 [二人以上世帯調査](令和5年)」によると、50歳代の住宅ローン平均残高は約928万円、60歳代でも約733万円。60歳代で1000万円以上のローンを抱える人は約18%もいるというデータも出ています。

50代、60代の住宅ローン残高50代、60代の住宅ローン残高

しかし、現役時代と比べて収入が減る老後に、住宅ローン返済が家計を圧迫するリスクがあるのも事実。不安を解消し、安心して老後を迎えるために、具体的にどのような対策を立てれば良いのでしょうか?

収入減でも大丈夫?住宅ローン返済の賢い対処法

住宅ローンが残っている状態で退職を迎えると、まず返済比率が上昇するリスクがあります。現役時代は年収の25~35%程度に抑えられていた返済比率が、年金収入のみになると40%を超えるケースも。

例えば、住宅ローン残高が1000万円、返済期間10年、金利1.0%の場合、毎月の返済額は約8万7600円。60歳以降も働いて手取りが20万円だとすると、その4割以上がローン返済に充てられる計算になります。

さらに、完済年齢が75歳や80歳に設定されている場合、病気や介護のリスクが高まる時期と重なることも。最悪の場合、住宅を手放さなければならない事態も想定しておかなければなりません。

ファイナンシャルプランナーの山田花子さん(仮名)は、「退職後の生活費をシミュレーションし、収入と支出のバランスを把握することが重要です。住宅ローンの返済計画を見直し、繰り上げ返済や借り換えなども検討しましょう」とアドバイスしています。

病気や介護…予期せぬ事態への備えも忘れずに

老後の住宅ローン返済で特に注意したいのが、病気による収入減少です。がんや脳卒中、心筋梗塞などの重大な病気になった場合、「がん団信」や「三大疾病団信」などの特約付き住宅ローンに加入していれば、一定の条件を満たせばローン返済が免除されるケースもあります。

これらの保険に加入しているかどうかで、老後のリスクへの備えは大きく変わります。万が一の事態に備え、自身に合った保障内容を確認しておくことが大切です。

また、高齢になると介護が必要になる可能性も出てきます。介護費用は決して安くはなく、住宅ローン返済と合わせて家計を圧迫する可能性も。公的介護保険制度の活用はもちろん、必要に応じて民間介護保険への加入も検討しましょう。

まとめ:安心して老後を迎えるために、今からできることを始めよう

60歳からの住宅ローン返済は、適切な対策を講じることで不安を軽減し、安心して老後を送るための第一歩となります。収入と支出のバランスを把握し、繰り上げ返済や借り換え、保険の見直しなど、自分に合った方法を見つけることが大切です。

この記事が、少しでも皆様の老後設計の参考になれば幸いです。ぜひ、ご自身の状況に合わせて、早めに対策を始めてみてください。