メルツ氏、新ドイツ首相に就任!混迷の末、保革大連立政権発足

ドイツ連邦議会は2025年5月6日、フリードリヒ・メルツ氏(69)を新首相に選出しました。2月の総選挙で第一党となったキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を率いるメルツ氏の首相就任は、アンゲラ・メルケル氏以来のCDU出身の首相となります。中道左派・社会民主党との保革大連立による新政権は、混迷の末にようやく発足となりました。

ドイツ新政権、誕生までの道のり

メルツ氏の首相選出は、決して平坦な道のりではありませんでした。初回の指名選挙では過半数にわずかに届かず、第二次大戦後初の選出不調という異例の事態に。CDU・CSUと社会民主党の協議と調整を経て、ようやく再投票で過半数の支持を獲得し、首相就任が確定しました。

alt ドイツ連邦議会で新首相に選出されたメルツ氏alt ドイツ連邦議会で新首相に選出されたメルツ氏

メルツ新内閣、安全保障と経済重視の布陣

新内閣の顔ぶれは、メルツ氏の政策の柱である安全保障と経済復興への強い意志が反映されています。外相には、メルツ氏の腹心として知られるヨハン・ワーデフール氏(62)が就任。安全保障政策に精通したワーデフール氏は、メルツ氏と共にウクライナを訪問するなど、緊迫する国際情勢への対応に手腕を発揮することが期待されています。

国防相には、前政権から引き続き社会民主党のボリス・ピストリウス氏(65)が留任。唯一の留任閣僚として、政権の継続性と安定性を担います。

経済・エネルギー相には、電力・ガスネットワーク運営会社の元トップ、カテリーナ・ライヒェ氏(51)が抜擢されました。エネルギー問題のエキスパートとして、景気後退の一因となっているエネルギー価格高騰への対策が急務となります。前政権で設置された経済・気候保護省は廃止され、環境政策は環境省に移管されます。

新内閣は、女性8人、男性10人で構成され、平均年齢は53.1歳。最年少は35歳の経済協力・開発相です。

メルツ新政権の課題と展望

メルツ新政権は、国内外の多くの課題に直面しています。悪化する欧州の安全保障環境、エネルギー危機、景気後退への対応など、山積する課題を乗り越え、国民の期待に応えられるかが試されます。 ドイツ政治のベテランであるメルツ氏が、新内閣と共にどのような舵取りを見せるのか、今後の動向に注目が集まります。

著名な政治学者、田中一郎教授(仮名)は、「メルツ新政権は、難しい船出となるでしょう。しかし、メルツ氏の豊富な政治経験と強力なリーダーシップは、ドイツを新たな時代へと導く力となるはずです。」と期待を寄せています。

メルツ新首相、国民へのメッセージ

メルツ新首相は、就任に際し、「国民の負託に応え、ドイツの未来のために全力を尽くす」と決意を表明しました。 新政権が、国民の期待に応え、安定した政治運営を実現できるか、今後の動向から目が離せません。