みんな「死にたい」と思いながら、明日に希望を求めてもがいている 18歳が振り返るオーバードーズの日々


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■出会いは人生の全てだ 

 ぱっぷすでは、都内の繁華街で若年女性らに声かけをする「アウトリーチ」を行う。

「親から逃げている」「性暴力を受けた」「オーバードーズや自傷行為が止まらない」といった子どもや若者を、安心して過ごせる「夜カフェ」に来てもらうなどし、相談を聞いたり必要な支援につなげたりしている。

 22年度には4000人以上に声かけをした。また、性的画像や動画が拡散されるなどの被害をなくそうと、関係機関への削除要請などを行う。

 22年度には1万6000件以上の削除要請に対応した。こうしたアウトリーチのなかでスタッフときゅーりさんが出会った。

「なぜオーバードーズやリストカットをしてしまうのか」を考えるきっかけをくれたのも、スタッフだった。ぱっぷすとつながりができ、スタッフとしても活動し始めた。女の子たちが立ち寄って雨風をしのいだり、話したりできる居場所を提供し、同年代の相談にのるようにもなった。トー横にいたのは1年ほど。ぱっぷすと時々つながりながらも、いまは別の場所でアルバイトをしながら暮らす。

 トー横では、「この子たちのために生きているんだ」と思えるほどの仲間に出会うことができた。いつも4人ほどで一緒に行動するメンバーで、一時は共に暮らした。あるとき、つらい気持ちが募って「本当に死んでしまいたい」とひとりでビルの屋上に行こうとしたとき、「姿が見えない」と泣きながらきゅーりさんを捜してくれた。きゅーりさんを見つけた瞬間、心配のあまり顔を殴ってきた。「誰かのためにこんなに泣けるんだ」と思った。彼女たちも含め、当時出会った仲間の多くは、いまはどうしているのかわからない。オーバードーズである日突然死んでしまった仲間もいる。



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