パレスチナ自治区ガザ地区に対する再占領計画を明らかにしたイスラエル内閣で民族浄化を彷彿とさせる程の強硬論まで登場した。
6日(現地時間)、英紙ガーディアンによると、イスラエル政府で極右強硬派に分類されるベザレル・スモトリッチ財務長官はこの日ヨルダン川西岸のユダヤ人定着村で開かれたカンファレンスで「ガザ地区は完全に破壊されるだろう」と述べた。ガザ地区の民間人に対しては「ハマスやテロのない南側の人道主義地域に送られる」としながら「そちらで相当数が第三国に移住し始めるだろう」と主張した。
スモトリッチ氏のこのような発言は、イスラエル安保内閣がガザ地区を占領して領土を維持する構想が含まれた「ギデオンの戦車」作戦計画を承認した翌日に出てきた。この作戦は12日から始まる米国のドナルド・トランプ大統領の中東歴訪以降、本格的に実行される予定だ。
英国ノッティンガム大学国際法教授のビクター・カタン氏はガーディアンに「スモトリッチ氏は長年にわたり類似の言動を繰り返してきたが、今回の発言は政府次元で兵力増強を要求しているという脈絡の中で深刻なものだ」とし「民間人の追放と強制移住は、国際刑事裁判所に関するローマ規程で定められた人道に反する罪」と批判した。
ハマス政治局高位幹部であるバセム・ナイム氏も「イスラエルとの停戦交渉にもう関心がない」と明らかにして戦雲は再び濃厚になる様相だ。ガザ地区民防衛当局はこの日もイスラエルが難民保護施設で使われている学校建物を爆撃して少なくとも22人が死亡したと明らかにした。
ガザ住民の間では疲労と絶望が広がっている。ガザ地区北部ガザシティ出身の避難民の一人は住民たちが残骸の中から自分の家の位置を見つけようとするには衛星利用測位システム(GPS)を使わなければならない状況だとし、「これ以上爆撃できる何が残っているというのか」と反問したとAP通信は伝えた。
先月初めからイスラエルがガザ地区での物品搬入を遮断して難民の物資・栄養不足はすでに深刻な状態だ。子どもたちに与える食べ物を得るために列に並んだある難民の母親はAPに「食べ物も小麦粉も何もないのにどうしたらよいのか」と悲痛な叫びをもらした。慈善団体で働く難民の一人は「ミサイルで死ぬのは怖くない。目の前で子どもが飢え死にすることが怖い」と嘆いた。