夫婦別姓でも孤立の立民、法案成立は困難 すり寄るのは共産 維新、国民民主も法案提出へ


立民の重徳和彦政調会長は7日の記者会見で、先月末に衆院に提出した法案について「与野党を超えて多くの方々に賛同いただける内容になるよう、柔軟に対応したい。与野党問わず働きかけ、粘り強くやっていきたい」と述べた。共産に加え、立民と同じく連合の支援を受ける国民民主や、与党内の賛成派も取り込みたいとも強調した。

■立民、思惑外れる

立民は、昨年の衆院選で与党を過半数割れに追い込み、法案を議論する衆院法務委(定数35)では委員長を含めて11議席を持っている。衆院法務委で法案を可決させるには18以上の賛成を得なければならないが、推進派の公明、国民民主、共産を合わせたとしても16議席で、過半数に2議席足りない。法案成立には他党の協力が不可欠だ。

立民は他党の賛同を得られるとにらんで、平成8年に法制審議会(法相の諮問機関)が答申した民法改正案要綱を基本として法案を取りまとめたが、立民側の思惑はすでに外れている。

衆院に法案を提出した4月30日、維新と国民民主が近くそれぞれ独自法案を提出すると打ち出した。維新は旧姓の通称使用を法定化する法案を提出する方針で、維新ベテランは「立民の法案提出に合わせてぶつけてやろう」と待ち構えていた。国民民主も独自法案を練っており、幹部は7日、「立民案には乗らない」と周囲に言明した。

■「立憲共産党」再燃か

与党の分断を図ろうと意気込んだものの、公明の反応も渋い。斉藤鉄夫代表は2日、立民案に一定の理解を示しつつも、「社会の根幹や多くの法律に関わる制度だ。政府提案の法律になるのが最も好ましい」と語り、一線を画した。唯一、立民に手を差し伸べているのは共産で、田村智子委員長は「大いに賛同して、実現のために力を尽くしたい」と述べた。

ただ、立民内には夏の参院選を前に、令和3年の衆院選で受けた「立憲共産党」批判が再燃するとの懸念もある。立民中堅は「うちと共産だけが頑張っている絵柄になったら、また批判される」と嘆いた。(深津響)



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