【ワシントン=池田慶太】米国のトランプ大統領は8日、自身のSNSへの投稿で、ロシアによるウクライナ侵略を巡り「30日間の無条件停戦」を両国に求めていることを明らかにした。停戦が合意され順守されなければ、「米国とパートナーは、さらなる制裁を科す」と圧力を強めた。
トランプ氏は両国との交渉が続いているとし、両国の直接対話につながることに期待。「私は欧州諸国とともに和平を確実にするため引き続き関与する」と訴え、「停戦は最終的に和平合意につながるものでなければならない」と強調した。
和平交渉を巡り、トランプ氏は戦闘を続けるロシアに不満を募らせている。
トランプ氏は投稿に先立ち、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と電話会談した。ウクライナ大統領府の発表によると、ゼレンスキー氏は「ウクライナは30日間の停戦を即時に始める用意がある」と述べ、ロシア側の同意を「待っている」と語った。和平交渉に関し、「いかなる形式」でも開始する用意があるとも表明したという。
一方、ロシアのプーチン大統領が旧ソ連の対独戦勝記念日(9日)に合わせて宣言した8日から3日間の停戦を巡り、ウクライナのアンドリー・シビハ外相は8日、戦線全域で露軍の攻撃が続き、同日正午までに734件の「違反」があったとSNSに投稿した。露側が持ち出した停戦を「茶番」と非難した。ウクライナ側は3日間の停戦を「パフォーマンス」とみて、応じない姿勢を示していた。