サセックス公爵夫妻ことヘンリー王子(40)とメーガン妃(43)は、2020年9月に動画配信大手Netflixと締結した5年間の独占コンテンツ制作契約が今年9月に満了を迎えるにあたり、更新しない方向で合意したと複数の海外メディアが報じています。夫妻はこれまでに5つの番組を制作してきましたが、今回の契約終了は、特に一部のプロジェクトにおける視聴データの伸び悩みや、メーガン妃の個人ブランドへの注力などが背景にあると見られています。
笑顔で寄り添うヘンリー王子とメーガン妃、Netflix契約終了のニュースを背景に
最新レポートで明らかになった視聴データの動向
今回の契約終了に関するニュースは、米誌『People』によれば、メーガン妃が制作・出演を手がけたライフスタイルシリーズ『ウィズ・ラブ、メーガン』の最新視聴データが発表されたのとほぼ同時期に明らかになりました。2025年7月17日(現地時間)に発表されたNetflixの2025年上半期エンゲージメントレポートによると、『ウィズ・ラブ、メーガン』は530万回視聴され、全約7,500番組中383位にランクインしました。米誌『Forbes』の分析によれば、今年3月4日の配信開始後、最初の1週間はNetflixの視聴率トップ10リストに入ったものの、その後は視聴数が伸び悩み、高い話題性が長期的な視聴維持には繋がらなかったと報じられています。
一方、ヘンリー王子が愛するポロ競技を題材に、夫妻が製作総指揮を務めたドキュメンタリー『POLO /ポロ』は、2024年12月10日の公開以来、半年間でわずか50万回しか視聴されず、3,436位という不振に終わりました。これらの視聴データは、Netflixが夫妻に投資したとされる1億ドル(約155億円)という巨額な契約金に見合う成果が得られていないとの見方を強める要因となりました。
夫妻にとっての最大の成功作『ハリー&メーガン』
これまでのNetflixでのプロジェクトの中で、サセックス公爵夫妻にとって圧倒的な成功を収めたのは、2022年12月に配信されたドキュメンタリーシリーズ『ハリー&メーガン』です。米サイト『Page Six』によると、この番組は公開初週に8,155万時間の視聴を記録し、Netflix史上、ドキュメンタリー番組として公開第1週目に最も視聴された作品となりました。『Forbes』は、この記録が現在も保持されていると報じています。さらに、『ハリー&メーガン』は2025年上半期にも730万時間の視聴時間を追加しており、依然として高い関心を集め、視聴され続けていることが示されています。この初期の大ヒットが、Netflix側が夫妻との契約から「得るものはすべて得た」と考える背景にあると見られています。
契約終了の背景と関係者の見解
英タブロイド紙『The Sun』の報道によれば、サセックス公爵夫妻とNetflixは、公式発表を伴うことなく「ひっそりと袂を分つ」ことで合意した模様です。ある情報筋は同紙に対し、「契約は終わった。もうこれ以上番組は制作されない」と語り、Netflix側は『ハリー&メーガン』の成功によって十分な視聴者を獲得したと考えていると述べました。「モンテシートのふたり(サセックス公爵夫妻)によるコンテンツの頂点は、現実的に見てあの最初のエピソードだったとNetflixは認識していた」とも付け加えています。
また、『The Sun』は、今回の契約終了がヘンリー王子の番組の失敗を受けたものであることや、Netflixの幹部がメーガン妃が自身のライフスタイルブランド「As Ever」を優先していることに「かなり不満を抱いていた」と伝えています。しかしながら、前述の情報筋は「Netflix側は結果に不満があるわけではない。最初のヒット作を生み出し、史上最も話題になった番組の一つを制作したのだから」と述べ、両者の間に「わだかまりはない」と説明。「物事は自然に終わりを迎えた」と締めくくりました。それでも、情報筋は「特にハリー(ヘンリー王子の愛称)にとっては、これは痛手となるでしょう。莫大な収益の損失ですから」と、今後の経済的影響に言及しています。
英紙『Daily Mail』も同様に、Netflix関係者が「この契約は破談だ」と主張していると報じています。『ウィズ・ラブ、メーガン』の視聴データがNetflixの期待を下回ったことについて、幹部らは「彼女にはネームバリュー、プラットフォーム、メディアの注目のすべてがあったのに、数字は悲惨なものだった」と厳しく評価。「彼らは静かに契約を終わらせるのを待っているだけで、新しいものを求める気持ちは全くない」と語っています。
今後の活動と頓挫したプロジェクトの噂
しかし、1億ドルとされる巨額な契約が更新されなかったとしても、サセックス公爵夫妻とNetflixとの将来的なコラボレーションの可能性が全くなくなるわけではないようです。『Page Six』によれば、複数のメディアが今後、単発的なプロジェクトが実施される可能性を報じており、ある情報筋は「公爵夫妻を起用したテレビ番組は今後、さらに増える予定」だと主張しています。実際に、メーガン妃の『ウィズ・ラブ、メーガン』シーズン2は、Netflixで今秋に公開される予定となっています。
Netflixの共同CEOであるテッド・サランドス氏(60)がメーガン妃と定期的に食事をするほどの良好な関係を保っていることも、今後の関係継続の可能性を示唆しています。サランドスCEO自身も、メーガン妃のライフスタイルブランド「As Ever」の立ち上げにおいて、Netflixが「受動的なパートナー」であると発言しており、今年4月の発売以来、数々の商品が即完売するなど、ブランドの成功をNetflixも注視しています。
一方で、これまで進行中と報じられていたいくつかの番組制作プロジェクトについては、頓挫するとの噂が流れています。サセックス公爵夫妻は2023年8月に、ベストセラー恋愛小説『Meet Me at the Lake(原題)』の映画化を大々的に発表していました。『Page Six』によると、Netflixは本の権利に約300万ドル(約4億4,300万円)を支払い、夫妻の制作会社アーチウェル・プロダクションズが映画の制作を手がける見込みでしたが、現時点で監督は雇われておらず、キャスト選びもほとんど進んでいないとのことです。また、夫妻がアフリカを舞台にしたドキュメンタリーも制作中とされていましたが、こちらも進展が見られない模様です。事情を知る情報筋は、「どちらのプロジェクトも、日の目を見ない可能性が高いのでは」と話しています。
まとめと今後の展望
ヘンリー王子夫妻とNetflixの巨額な契約は、双方にとっての戦略的な成果と課題を残しつつ、静かに終わりを告げようとしています。初期の大ヒット作『ハリー&メーガン』はNetflixに多大な視聴者をもたらしましたが、その後のプロジェクトでは期待されたほどの成功には至りませんでした。特にメーガン妃が自身のブランド「As Ever」に注力していることは、Netflix側の不満の一因ともなりましたが、両者の関係自体は引き続き良好であるとされています。
今後、夫妻はNetflixとの間で単発的なプロジェクトを継続する可能性や、メーガン妃のライフスタイルブランドのさらなる発展に注力する見込みです。一方で、発表済みでありながら進展が見られない映画やドキュメンタリー制作の動向も注目されます。今回の契約終了は、サセックス公爵夫妻の今後の活動戦略、特にメディア事業と個人ブランドのバランスに大きな影響を与える節目となるでしょう。