ローマ・カトリック教会の新しい教皇にアメリカ出身のロバート・フランシス・プレボスト枢機卿が選ばれました。教皇名は、レオ14世です。
【画像】貧困や移民に寄り添う聖職者…初のアメリカ出身ローマ教皇誕生
コンクラーベ2日目、4回目の投票で選ばれた新しいローマ教皇。前教皇の「壁ではなく橋を築こう」という言葉を引用し、メッセージを伝えました。
新ローマ教皇 レオ14世
「みなさんもどうか手を貸してください、対話をもって、出会いを通して、互いに橋を架けましょう。みんなが一致して、いつも平和なひとつの民となりましょう。感謝します、教皇フランシスコ」
イタリア語で伝えるメッセージの途中、スペイン語でも語りかけます。
新ローマ教皇 レオ14世
「私の愛するペルーのチクラヨ教区のすべての人に」
宣教師として20年以上を過ごした、南米ペルー。2014年、教皇フランシスコに任命され、北部の田舎町チクラヨの司教を務めます。貧しい人や病気の人、苦しんでいる人々に開かれた教会で、献身的に寄り添って来ました。権威主義ではなく、いち宣教師として。その思いは、移民など社会的弱者に向けられてきました。教皇フランシスコに近い“改革派”の面がありながら、ジェンダー問題などでは、保守的な考えもあわせ持ちます。
アメリカ人が教皇に選ばれるのは、2000年の歴史で、初めて。トランプ大統領もすぐに飛び付く、お祝いムードです。
シカゴ生まれのレオ14世は、両親が移民で、フランス、イタリア、スペインにルーツを持ちます。
レオ14世の兄 ジョン・プレボストさん
「弟は小学生のときに、近所の女性に『アメリカ初の教皇になれる』と言われました。何か感じたのでしょう」
子どものころから敬虔だったそうですが、枢機卿に任命されたのは2年前。コンクラーベに出席するのは、もちろん初めてでした。兄によりますと、話題の映画を観て、予習したそうです。
アメリカではプロテスタントが多く、カトリックは主流ではありません。
アメリカ人
「トランプ就任で、アメリカが強大になりすぎたので、アメリカ人が選ばれるなんて、絶対にないと思っていました。新教皇に恥をかかせず、人種差別をなくすべき」
詳細が明かされることはありませんが、どうして、いま、アメリカから選ばれたのでしょうか。
日本大学 松本佐保教授
「トランプ大統領が、移民に対して厳しい態度を取ったり、国際情勢的にも、関税等、国際秩序が不安定化している。(レオ14世は)移民政策は、バンス氏やトランプ氏とかなり考え方が違う。徐々にアメリカの排他的な雰囲気を、新しいローマ教皇によって、いい方向に戻していく。投票した枢機卿の頭の隅には、そういう考えもあったのかと。労働者に寄り添う考え方は、フランシスコ教皇と同じものがある。ただ、その行動の現れ方が違うのではないか」
テレビ朝日