「今夜はピザる?」「ピザーラお届け!」……など、CMの出稿量も多く、印象的なキャッチフレーズをよく耳にする「宅配ピザ業界」。
【画像11枚】3強だけじゃない!ピザ・カリフォルニア、ピザ・ロイヤルハットなど、地方の人気宅配ピザ店
1960年代にアメリカで爆発的に広まった「ドミノ・ピザ」が東京・恵比寿に日本1号店を出店した1985年から、およそ40年が経った今、国内の宅配ピザ店舗は約2500店にものぼる。
日本人にとって欠かせない存在になった宅配ピザだが、ここ最近、競争の構図が変わりつつある。本稿では、ドミノ日本上陸から40年にわたる「宅配ピザ業界」の歴史を振り返り、「3強(ドミノ、ピザーラ、ピザハット)」の強みと、コロナ禍によって訪れた業界の変化、あらたに生じた問題についても分析していこう。
■日本の宅配ピザ・序史〜「客席ないのに、売り上げが駅前マックの4倍?」
ドミノ・ピザの日本上陸前から、手提げ箱でそば・丼物などを届ける「出前」は盛んにあった。それまでの「出前」にかわって、なぜ宅配ピザが台頭したのだろうか?
そば・丼物などの出前にはない「宅配ピザ」の強みは、保温バッグやプレートで、ピザを焼き立てに近い状態で渡すという「アツアツ提供の容易さ」、かつ家族・友人など「大人数のシェアに最適」、一般家庭ではまず作らないピザを頼むという「プレミア感」にあった。
さらに、東京・恵比寿のドミノ・ピザ1号店は外国人も多く、英語を使いこなす若い店員が専用バイクで素早くピザを届け続けた。1982年公開の大ヒット映画『E.T.』にドミノ・ピザが登場していたこともあり、端的に言うと「食堂の出前よりカッコよくスタイリッシュ、あの映画に出た店」だったからこそ、宅配ピザという存在が知れ渡ったのだ。
こういった背景や理由があれば、目の玉が飛び出るような高単価もすんなり支払ってもらえる。ドミノ・ピザ1号店(恵比寿店)は、駅前のファストフード店ですら月商600万〜700万円だった時代に、何と月商3000万円を記録。