東京都の小池百合子知事は9日の定例会見で、昨年の東京都知事選で戦ったAIエンジニア安野貴博氏(34)が、新党「チームみらい」を率いて今夏の参院選に立候補すると発表したことの受け止めを問われ、「政党を回していくというのは、結構な労力がかかる」と述べた。かつて、国会議員時代に複数の政党づくりに携わった自身の経験を踏まえながら指摘した。
安野氏は8日に東京都内で記者会見し、新党「チームみらい」を立ち上げ、選挙区と比例代表に計10人以上を擁立すると発表した。自身は比例代表に立候補する。一方、都のデジタル化推進強化を目指す小池氏は、安野氏の知見を高く評価。安野氏は昨年11月、都の外郭団体「GovTech(ガブテック)東京」のアドバイザーに就任し、都のAI戦略会議委員も務めるなどの活動を続けてきた。
そうした中で、今回の新党結成と参院選立候補表明となった。小池氏は「これまでも意見を聞いて、それをAIで分析するということなどで、お手伝いをいただいている。(都側には)任期の更新について相談もあったと聞いている」とした上で、「政党を回していくって、結構、結構な労力がかかるんですよね。AIの力で、そこはなかなか回らないのでこういう政治状況にある。なかなかAIで、ストーンとデータ分析のようにいけばいいんですけれども、なかなか政党で(AI政策を)進めていくのは大変なことだと思う」と指摘。「私自身はずっとそれ(新党)に関わってきているので、そう思うんですよね」と、述べた。
その上で「AIの推進に向けて、よりよいAIの活用についてのそちらへのエネルギーが、安野さんのような素晴らしい人材に求められているんじゃないかなというふうに思っています」とも語った。
安野氏は8日の会見で、「ガブテック」のアドバイザー職契約について、3カ月に1度の更新だとして、「私としましては5月12日で、契約満了とさせていただく想定です。もともと出馬の可能性については事前にお話ししており、つつがなく進行できると思っている」と説明した。