夫殺しの現場に居合わせてしまったピアニスト。目が不自由であるという触れ込みが偽りだと発覚し、犯人である妻と愛人による口封じの魔手が身辺に迫る。
物語は、やや緩慢に、時にユーモアを交えて滑り出すが、次第に速度を増し、二転三転しながら、ピアニストは次々に危機に見舞われる。中盤以降は、まさに手に汗握るサスペンスフルな展開で、最後の場面まで目が離せない。
定番といえる踊る場面がなくても大ヒットを記録し、最近のインド映画の一つの傾向を象徴。劇中のピアノ曲などは、“インド式”というか異国風。
東京・新宿ピカデリー、大阪・シネ・リーブル梅田など全国順次公開中。2時間18分。(健)
★★★☆(★5傑作 4見応え十分 3楽しめる 2惜しい 1がっかり ☆は半分)