自国製戦闘機初「戦果」に称賛 インド機撃墜か、輸出拡大期待 中国


【写真】フランス製戦闘機「ラファール」

 事実なら、中国製の戦闘機が初めて西側の主力戦闘機を撃墜する「戦果」を挙げたことになるからだ。中国製戦闘機の性能は長年、疑問視されてきた。中国ではSNSに称賛の書き込みが相次ぎ、輸出拡大への期待も高まっている。

 パキスタン側の発表によると、7日のインド軍の越境攻撃でパキスタン軍が運用する殲10Cがインド空軍の戦闘機5機を撃墜。うち3機はフランス製戦闘機「ラファール」だったという。

 インド軍はコメントしていないが、米CNNテレビ(電子版)は、仏当局者がラファールの撃墜を認めたと報道。ラファールが撃墜されたのは初めてとしている。この情報について、ロイター通信によると、米政府高官は「中国の戦闘機にとって大きな節目だ」と指摘した。攻撃には殲10Cが搭載する中国製空対空ミサイル「PL15E」が使われたとみられる。

 殲10Cは中国軍の主力戦闘機で、中国が自主開発したとされる。パキスタンは同じくインドと国境問題を抱える中国と伝統的に友好関係が深く、2022年から輸出型を導入している。

 中国外務省は「状況を把握していない」(林剣副報道局長)としているが、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、駐パキスタンの中国大使が撃墜直後にパキスタンのダール副首相兼外相の執務室を訪れ「大きな喜び」を示したと伝えた。

 中国は、米国、フランス、ロシアに次ぐ世界4位の武器輸出国だが、実戦経験が乏しいことが売り込みのネックとなってきた。著名論客の胡錫進氏は、SNSに「中国の武器は既に世界トップクラスだ」と投稿。中国の株式市場では8日、輸出拡大への期待感から殲10Cの製造企業の株価がストップ高を付けた。

 中国軍の動向に詳しい笹川平和財団の小原凡司上席フェローは「中国は殲10Cの『優秀さ』をアピールするだろう。西側戦闘機に比べ安価で、多くの新興国・途上国に採用される可能性がある」と話している。 



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