トランプ大統領によって“壊された”アメリカは元には戻らない 世界が見放す米国との関係を日本も今こそ大転換させるべきだ 古賀茂明


【写真】石破氏とトランプ氏の「笑顔」の裏は…

 新教皇はフランシスコ前教皇の改革路線を引き継ぐのか世界の関心が集まる中で、また、「あの人」が物議を醸し、大炎上した。

 トランプ米大統領は5月2日、AIが生成した、ローマ教皇に扮(ふん)した画像を自身のSNSアカウントに投稿した。それをホワイトハウスがXの公式アカウントに再投稿したため、瞬く間に世界に拡散し、「大炎上」となった。公式の服喪期間(5月4日まで)中に、これほどの不謹慎な行動をアメリカの国家元首がとるとは驚き以外の何ものでもない。

 トランプ氏は、5日に、この生成画像について、「どこから来たのか全くわからない。AIかもしれないが、私は全く知らない」と言い訳したが、その後に、「妻は『可愛いじゃない』と言った」とも述べた。反省の色はない。

 トランプ氏は4月29日にも「私が教皇になりたい」と冗談めかして述べていた。今回の画像投稿も含め、次の教皇が保守派になれば、自分に有利に働くという思惑で、教皇選挙に介入したかったのかもしれない。

 この投稿が行われたのと同じ2日に、トランプ氏はフロリダ州の自宅で、米NBCのインタビューを受け、それが4日に放送された。

 そのインタビューの中で、トランプ氏は、

「すごくたくさんの人が、私にやって(続投して)ほしいと言っている」

「自分の知る限りでは、それ(3期目)は許されていないと思う。憲法上それが認められていないのか、それとも別の理由なのかは分からない」

「2028年の帽子を売っている人はたくさんいる(28年の大統領選挙でのトランプ氏の立候補を意味する『トランプ2028』と書かれた帽子を、トランプ氏が所有するトランプ・オーガナイゼーションが販売している)」

 などと、思わせぶりな発言をした後で、

「だが、これ(3期目)は自分がやろうとしていることではない」

 と述べた。

 米国憲法で大統領の3選は認められていない。3選はないと言っても、何のニュースにもならないはずだ。

 しかし、これまで、トランプ大統領は、3選を狙うかのような発言を繰り返し、トランプ支持者たちも、憲法の規定を回避する抜け穴があると主張している。

 ただし、米国の憲法学者などの専門家は、その抜け道は有効ではないという説が圧倒的多数だ。トランプ大統領は任期が終わる2029年1月には退任するしかないのだ。



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