文部科学省のキャリア官僚が「小学校の校長先生」に。新たな行事、働き方改革…。学校の「当たり前」に変化


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 教育関連の取材をしていても、官僚で小学校長になった人は聞いたことがない。念のため文科省に確認してみると「現役官僚が公立小校長になるのはおそらく初めて」という回答が返ってきた。

 キャリア官僚が校長先生に。彼は今、どんなことを考え、何に取り組んでいるのか。話を聞いた。(共同通信=河村紀子 年齢や学年、肩書は当時)
▽“岐阜の先生”

 長良東小は全校児童約680人。46ある市立小の中でも有数の大きさだが、中村さんは一人一人の名前を呼び、声をかける。子どもたちや一緒に校門に立つ教員との会話に耳をそばだてると、方言を自然と使いこなしていた。すっかり“岐阜の先生”になっているように見えた。

▽先生を支える側に

 中村さんは宮城県出身で、小中高とも地元の公立高で学んだ。「小中高の12年間で担任だった先生のことは、今でも全員覚えている。本当に良い先生たちに恵まれた」と振り返る。

 教員になることも考えた。そのとき頭に浮かんだのは、自分が子どもの時に接した教員の存在。「全国にこういう先生はたくさんいる。一生懸命やってくれる先生を支える側の仕事に就きたい」と国家公務員を志し、2008年に文科省に入省した。
 入省後は主に小中高の教育行政に携わった。教育委員会制度改革などに関わった後、2021年に岐阜県教育委員会に出向した。

 岐阜県教委では教職員課長や高校教育課長を歴任。喫緊の課題となっている教員不足を解消するため、県内の大学と市町村教委が連携する取り組みを立ち上げた。そんな中で、岐阜市立小の校長はどうか、という打診を受けた。



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