「立憲民主党が消費税最低25%を主張していたが選挙前に0%に変えた」という情報が拡散しましたが、不正確です。立憲民主党の小川淳也幹事長は過去に「将来的に消費税を25%に」と発言しましたが、小川氏個人の発言で党の見解ではありません。また、小川氏の発言も、今の日本で直ちに増税を目指すというものではありませんでした。
検証対象
2025年4月29日、「立憲民主『消費税は25%必要!』選挙前は0%って言います」という動画がYouTubeで拡散した。
動画では「消費税最低25%必要と主張していたのに選挙になったらゼロにしますと言い始める。皆さん、これが立憲民主党ですよ」とナレーションがついている。動画について「国民をなめるな!」「消費税詐欺にみなさん注意しましょう」というコメントがついている。
検証過程
小川氏「消費税25%は必要」と発言したのは事実
小川氏は2023年1月に放映された「朝まで生テレビ」で、消費税について「最低でも北欧並みの25%は必要でしょう、将来的にね」と発言し、話題になった。
小川氏のこの発言はXでもたびたび拡散している(例1、例2)。検証対象で挙げた動画はXで拡散した投稿のスクリーンショットを使用している。
また、小川氏は民主党時代の2011年にも、個人的な見解として「2050年までに消費税25%」に引き上げる必要性について言及している(日本経済新聞)。
立憲民主党「党として掲げたことはない」
一方、立憲民主党は2025年夏の参院選の公約に「食料品の消費税ゼロ%」を盛り込む方針を明らかにしている。減税期間は1年間だという(朝日新聞、日経新聞)。
立憲民主党は、検証対象が主張するように、消費税を25%に増税することを掲げ、後に0%にすると方針を変えたのか。日本ファクトチェックセンター(JFC)は、立憲民主党に取材した。回答は次の通りだ。
「立憲民主党として『消費税25%が必要』との方針を掲げたことは1度もない」
「その上で、消費税について、国民の消費税負担の一部を給付等の形で実質的に還付する『給付付き税額控除』(消費税還付制度)の導入を主張してきた」
「同制度の導入には制度設計等の関係で一定の時間を要することから、2025年4月25日に、『給付付き税額控除』(消費税還付制度)が導入されるまでの間、当面の物価高対策として、食料品に係る消費税を原則1年間に限り0%(経済情勢等に鑑み必要と判断した場合は1度のみ延長可)とする臨時・異例の措置を実施することを掲げた」
上記の主張は、立憲民主党の公式サイトでも確認できる( 立憲民主党「【代表会見】野田代表が消費税負担の軽減策について発表」)。