元フジテレビアナウンサーでフリーの中井美穂(60)が、13日放送のNHK・Eテレ「ハートネットTV」(後8・00)に出演し、不妊治療について語った。
95年に当時ヤクルトの古田敦也氏と結婚。その数年後から不妊治療をスタートした。しかし、子宮に複数の筋腫が見つかる多発性子宮筋腫と診断され、少しでも妊娠の可能性を高めるため、手術を受けた。
「普通に結婚したら子供って2、3年後とかに授かるものだと軽く考えていた。なかなか授かることができなかったので、治療自体もうまくいかなかった。そうするとやっぱり、生理がきた時に凄くがっかりしちゃう。自分がダメなんだって、いちいち落ち込むとか」。それでも、手術で妊娠の可能性が上がることを信じて、手術に臨んだという。
腹腔鏡による手術自体は成功したものの、その後も熱と痛みが収まらず、腹膜炎に。「手術自体はうまくいったけど、その後があまり良くなかったので…」。再び手術を受けることになった。
大腸の一部を切除したため、約1年間は人工肛門を装着して生活することになった。また、次に手術になった場合は永久に人工肛門の可能性もあったといい、不妊治療を断念した。
元大相撲関脇の豊ノ島も、第2子の子作りで苦労したという。第1子は女の子で、周囲からは「2人目ができたら力士に」という声もあったことを明かした。
すると中井は「スポーツ選手って言われることが多いですよね」と同情した。「他の人もそうかもしれないけど、より“古田2世が見たいな”って。そう言われてもなあって」。そんな自身の経験から、人に尋ねる時には細心の注意を払うという。「人に言う時も、そう言ってしまいがちだから、ちょっと一歩立ち止まって。ちょっと待って…自分も言われた。だから、うまく聞かなきゃなって。言ってくるまで待つとか、聞き方を工夫するようになりました」と打ち明けた。
手術以来、古田氏と子作りについて話が及ぶことはなかったという。「具体的にまず私の体が回復するまでは子供のことというのは…。それ以降、正直、子供の話は出なくなりました。私から話をしたらちゃんと話してくれたと思うけど、私からしない限りは、自分の方から言わないって思っていたんだと思う」と、夫の心中を察した。
「役割を果たしてないなという申し訳なさとか、引け目とかも今でもある」という。もちろん「いろんな人生がある。いろんな人の幸せがあるということもよく分かっている」と言うが、「それでもどこかちょっと…という気持ちは、女性だからですかね。産める性なのに産まなかったことっていうことに対する思いは、ぬぐえないところはありますね」と本音を口にした。