〈石破首相「闇献金」を告白した元側近が実名記者会見「首相には真実を語ってほしい」〉 から続く
【画像】「闇献金をしてきました」実名を公表し、会見に臨んだ下根貴弘氏
石破茂首相(68)への「3000万円闇献金」問題。 5月8日発売号 で「週刊文春」が報じた後、告白者の下根貴弘氏(66)が12日に実名で記者会見を開いた。
この問題に絡んで、石破首相の“右腕”とされ、トランプ政権との関税交渉役でもある赤沢亮正経済再生担当相(64)にも同様に、下根氏側から闇献金を受けた疑惑があることが「 週刊文春 」の取材で分かった。
陳述書のリストに「赤沢亮正氏」の文字が
石破首相を巡る闇献金記事の端緒になったのは、2014年に下根氏が父・弘氏(91)との民事裁判で提出した陳述書だ。そこには父に命じられたパーティー券の購入先として複数の政治家の名前が列挙され、冒頭に最も金額が大きい人物でもある石破首相の名前が、以下のように記されていた。
〈衆議院議員・石破茂氏 2万円×300枚〉
リストには続きがあり、こうも記されている。
〈同・赤沢亮正氏 2万円×20枚〉
赤沢氏は昨秋の自民党総裁選で石破選対の事務総長を務めるなど、石破氏が最も信頼する政治家とされる。下根氏が言う。
「赤沢さんのパーティー券購入は、父と石破さんと同郷の鳥取県が地盤の議員だからでしょう。赤沢さんは総裁選の際に石破選対に入っており、そこで知り合ってパーティー券を買うようになったのです」
過去の収支報告書に「不記載」の疑い
一度に600万円だった石破首相に比べると少ないが、赤沢氏の一度の合計金額は40万円。政治資金規正法では20万円(現行では5万円)を超えるパーティー券を購入してもらった場合、その旨を政治資金収支報告書に明記するよう求めている。だが過去の赤沢氏関連の政治団体の収支報告書を調べても、下根父子の氏名や関連社名は見当たらなかった。同法違反の「不記載」の疑いがある。
赤沢氏を電話で直撃した。
赤沢氏は「特にコメントすることはない」「適切に処理しています」
――下根氏にパーティー券を購入してもらったことはあるか。
「私は特にコメントすることはないですね。一言いえるのは、基本的にルールに則ってきちっとやってますので。そういうことです。申し上げられることはそれだけです」
赤沢氏の事務所にも尋ねると、「政治資金収支報告書の記載の通り、法令に則り適正に処理しています」と回答した。
14年当時、同一の陳述書に記された石破氏と赤沢氏への闇献金疑惑。だが、疑惑はこれだけにとどまらない――。
5月14日12時配信の「 週刊文春 電子版 」および15日発売の「週刊文春」では、石破首相の闇献金スクープ記事第2弾を掲載。より詳細な下根氏の「実名告白」に加えて、下根氏の陳述書を裏付ける別の元閣僚の「入金」資料、石破首相の答弁と食い違うパーティー参加者たちの新証言などを詳しく報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月22日号