警察庁が「自転車のルール違反にも青切符を導入し、反則金を徴収する」と発表した。これに伴い、5月24日までパブリックコメント(意見公募手続)を実施。2026年4月1日から運用開始となる予定だ。関連の改正道路交通法は昨年、成立している。
反則金は、スマホながら運転の1万2000円を筆頭に、違法駐輪9000円、遮断踏切立ち入り7000円などとなっている。金額は、危険性・悪質性の高いものほど高くなる設定だ。
ネット上では困惑の声も
自転車側にとって、これまでにない大きな転換点となる今回の法改正。ネット上の反応をみると、反則金の額についての不満は少ない印象。だが、「歩道走行3000円」に対しては少し様子が異なり、困惑の声が目立つ。
「スマホ運転の反則金1万2000円は大賛成。しかし、歩道走行はどうなんだろう…」
「自転車で歩道を走って反則金を払わされるのなら、運転手がいても路上駐車している車には必ず『駐車違反』の切符を切るのが最低条件」
「自転車の歩道走行禁止は努力目標にしてほしい」
歩道走行のペナルティーに対する、こうした自転車利用側のナーバスな反応は、現状における自転車の歩道走行状況をみれば明白だ。
歩道を走行するのは当たり前。狭い歩道でも、自転車が猛スピードで歩行者のわきを走り抜ける――。「歩道走行=反則行為」は、自転車側にとって、いきなりメインで活用している走行レーンを奪われるくらいのインパクトなのだ。
歩道はもともと歩行者のもの
今回の法改正にも携わった、自転車活用推進研究会の小林成基(しげき)理事長は次のように解説する。
「まず認識しておくべきは、今回の法改正はあくまでも自転車の活用を推進するものであり、妨げるものではないということ。そのうえで補足するなら、歩道はもともと歩行者のものであり、自転車は‟通行させてもらう”立場。このことを忘れてはいけません。
とはいえ、当面は自転車が歩道を走行したら即座に青切符⇒反則金とはならないでしょう。ただ、これまで取り締まる側も注意しづらかったところが、注意をする理由が明確になり、注意されても従わないのであれば反則金というわかりやすい制度になったという意味で、大きな転換点となることは間違いありません」
来年4月からは自転車の反則行為に対して杓子定規に青切符を適用したり、113もある反則行為を網羅的に取り締まるのではなく、誰が見ても危険な行為に焦点をしぼって注意し、重点的かつ徹底的に啓発活動を開始することになる。