拉致問題国民大集会:参政党・神谷代表のブルーリボンバッジ非着用が波紋を呼ぶ

11月3日、東京都内で開催された「北朝鮮による全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」は、いまだ解決の糸口が見えない拉致問題に対し、国民と政治家が一丸となって取り組む姿勢を示す重要な場となりました。長年にわたる被害者家族の苦しみが改めて訴えられ、高市早苗首相をはじめとする主要政治家が問題解決への強い決意を表明。しかし、この集会で唯一ブルーリボンバッジを着用しなかった参政党の神谷宗幣代表の発言が、一部で疑問と批判の声を集めています。

拉致問題解決への強い決意:高市首相と各党議員の連携

集会では、拉致被害者家族会の横田拓也さん(57)が、姉・めぐみさんが48年間も拘束され続けている現状を「大切な家族兄弟は一切の自由をはく奪された上に、明るい明日の希望すらない中で苦しい時間を強いられている」と訴え、その悲痛な思いを会場に伝えました。

高市早苗首相(64)も出席し、先に来日したトランプ米大統領(79)ら米政府高官と拉致被害者家族との面会が実現したことについて「悲痛な思いを共有していただきました」とその成果を強調。「私の代で、何としても突破口を開き、拉致問題を解決したい、その決意に満ちております」と述べ、日朝首脳会談の開催も視野に入れていることを示唆しました。

立憲民主党の渡辺周衆院議員(63)、日本維新の会の石井苗子参院議員(71)、国民民主党の川合孝典参院議員(61)、日本保守党の百田尚樹参院議員(69)ら与野党の国会議員も多数登壇し、拉致問題解決に向けた高市首相の意欲に賛同を表明。これらの登壇者全員が、拉致被害者の生存と救出を信じる意思表示としてブルーリボンバッジを胸に付けていました。

拉致問題国民大集会でブルーリボンバッジを着用せずに登壇する参政党の神谷宗幣代表拉致問題国民大集会でブルーリボンバッジを着用せずに登壇する参政党の神谷宗幣代表

参政党・神谷代表のバッジ非着用とその理由

しかし、その中で唯一ブルーリボンバッジを着用していなかったのが、参政党の神谷宗幣代表(48)でした。神谷代表は壇上でバッジを付けない理由を次のように説明しました。「一番大事なのは、国民意識の啓発だと思います。みんなで他人事ではなく、自分たちの問題だという風に考えながら訴えていく。それを我が参政党もやっていきたいと思います」と前置きし、ブルーリボンバッジの着用について、「私はブルーリボンバッジあまりしないんですね。付けているだけで、やった気になってしまうところがあるからです。他の運動もそうなんです。でも、我が党はブルーリボンバッジ、私はしていませんが、署名活動もしていますし、国内だけではなく拉致問題の映画、海外の皆さんと協力して上映会などをやっています」と発言しました。

「救う会」西岡会長からの着用要請とSNSでの波紋

神谷代表のスピーチが終わると、国民大集会の司会を務めた「救う会」の西岡力会長(69)は、着席しようとする神谷代表に対し、穏やかな口調で「神谷先生。私たちは是非、皆さんにバッジを付けてもらいたいんです。是非よろしくお願いします」と着用を促しました。神谷代表はぎこちない笑顔で頭を下げましたが、会場で笑いが起こるなど、緊迫した雰囲気ではありませんでした。

しかし、この一連の出来事に対し、SNS上では神谷代表の姿勢に厳しい声が上がっています。「どんなポリシーがあろうと、救う会の西岡先生に『ブルーリボンバッジ付けてください』って言われた時点で、礼を失する行動である証明だわな」「この場に来てるのだからつけるのが礼儀だし、被害家族に向けて、解決への意思表明だと思います」「ブルーリボンバッジを付けるのは皆一緒に頑張ろう、我々は仲間だという意思表示じゃないのか? 何の為にここに来たのか?」といった批判が相次ぎました。

政治専門家の見解:連帯の象徴としてのブルーリボンバッジ

政治部の記者は、今回の神谷代表の行動について次のように指摘しています。「北朝鮮による拉致問題をめぐっては、2002年に5人の拉致被害者が帰国して以来、解決の糸口がなかなか見えていないのが現状です。そんな中、高市首相の新体制のもと、拉致被害者家族とトランプ大統領の面会が実現するなど、政府は具体的な進展を目指しています。与野党が一丸となって拉致問題解決に取り組もうとしている時に、それも被害者家族の目の前で、神谷氏の個人的なポリシーを優先させるというのは、適切ではないかもしれません。そもそも、ブルーリボンバッジには連帯を示す意味合いが強く、付けるという行為こそが重要なのではないでしょうか」。

結論

今回の国民大集会は、拉致問題という国家的な課題に対し、政治の場と国民の強い意思が結集する重要な機会となりました。高市首相を中心とした政府・与野党の連携は、問題解決に向けた新たな突破口を開く期待を高めています。その一方で、ブルーリボンバッジの着用を巡る議論は、単なるアクセサリー以上の、連帯と尊重の象徴としてのその深い意味を改めて浮き彫りにしました。具体的な行動はもちろん重要ですが、被害者家族と社会全体への敬意を示す象徴的な行動もまた、拉致問題の早期解決に向けた国民的機運を醸成する上で不可欠であると言えるでしょう。

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