【ワシントン=田中宏幸、北京=照沼亮介】米中両国は日本時間の14日午後1時1分(米国時間午前0時1分、中国時間午後0時1分)、相互に課している追加関税をそれぞれ115%引き下げた。10~11日にスイスで行われた米中閣僚級協議での合意に基づく措置で、今後90日間、追加関税率は米国が30%、中国が10%となる。
4月以降に米中双方が課した追加関税34%のうち24%分を90日間停止し、上乗せした報復関税91%分は互いに撤廃する。一方、米中双方が税率10%を維持するほか、米国は合成麻薬フェンタニルの流入対策を名目に発動している20%は引き続き課し、対中追加関税は合わせて30%となる。これとは別に米国による中国製の自動車や鉄鋼・アルミニウムなどに対する品目別の追加関税は、引き下げの対象外となる。
中国も、米国からの液化天然ガス(LNG)や大豆など一部の輸入品に対する最大15%の報復関税は合意の対象外として維持する。
米ブルームバーグ通信によると、中国政府は13日までに国内の航空会社に要請していた米ボーイング社製航空機の納入停止を解除した。スイスでの米中合意には、中国が関税以外の報復措置の一時停止か廃止をすることが盛り込まれ、中国側が対応した格好だ。
トランプ米大統領は12日、「習近平(シージンピン)国家主席と話すつもりだ。恐らく週末になる」と述べており、米中首脳間の電話などでの協議がいつ実現するかが次の焦点となる。