ロシア・ウクライナ協議は閣僚級か 露側はラブロフ外相ら参加見通し


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 協議はプーチン露大統領の提案に基づき、トルコ・イスタンブールでの開催が調整されている。直接協議が実現すれば、露の全面侵攻開始直後に開かれて以来、約3年2カ月ぶりとなる。

 ウクライナ政府は当初、「停戦が先だ」と協議参加に難色を示していたが、トランプ氏が交渉に臨むよう圧力をかけたのを受けて、ゼレンスキー氏が逆にプーチン氏との首脳会談を要求。露側は明確な応答を避けており、開催予定日の直前になっても出席者が固まらない事態になっている。

 トランプ氏は13日、訪問先のサウジアラビアでの演説で、「今週後半、恐らく木曜(15日)に(ロシアとウクライナの)協議がトルコで開かれ、良い結果が得られる可能性がある」と強調した。

 前日には状況次第で自身が出席する可能性を示唆していたが、演説ではルビオ氏を現地に派遣すると明らかにした。ロイター通信によると、ロシア側との交渉を担ってきた中東担当のウィットコフ、ウクライナ担当のケロッグ両米特使もイスタンブールに向かうという。

 ロシア、ウクライナ両政府は正式には参加者を発表していない。ロイターによると、ペスコフ露大統領報道官は14日、協議に参加する方針を示したが、参加者は明かさなかった。交渉団の一員だと報じられたウシャコフ氏は14日、国営テレビに「代表団は政治的な問題と多数の技術的な問題を議論することになるだろう。代表団の構成はその内容に基づいて決定される」と述べた。自身が参加するかについては回答を避けた。

 一方、ゼレンスキー氏は13日、プーチン氏が「私と直接話すことを恐れている」と挑発。ロシア側の決定権を握るプーチン氏との直接協議にこだわりを見せた。ロイターによると、ウクライナ外交関係者は14日、「プーチン氏が来るかどうかによって、次の対応を決める」と述べた。

 議題を巡っても双方の思惑はずれている。ゼレンスキー氏は英仏独ポーランドの首脳らと共に「12日から30日間の停戦」を呼びかけた経緯があり、今回の協議でも無条件の停戦を優先議題にする構えだ。ワシントン・ポストによると、ゼレンスキー氏は協議とは別に今週トルコを訪問する予定があるという。

 戦闘で優位に立つ露側からは、最後に直接協議が行われた2022年に議論された和平案を交渉の土台とすべきだとの声が上がっている。当時の和平案はウクライナが「中立化」など大幅な譲歩を強いられた内容だったと米メディアで報じられていた。【ベルリン五十嵐朋子、ワシントン松井聡】



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