日テレNEWS NNN
日産自動車は、昨年度6700億円以上の赤字となったことを発表しました。経営再建のため国内外で2万人の人員を削減し、車両の生産工場も一部閉鎖するとしています。
◇
13日、『news zero』が取材したのは日産の現役社員。
日産の現役社員
「(職場でも)景気が悪い話は出ます。大手っていうので有名だったので、そうなるとは思わなかった」
「新入社員なのでリストラされる可能性は少ないと思うけど、やっぱり怖い」
新入社員からこうした声が漏れるワケとは…。日産が13日午後5時すぎ、会見を開きました。
日産自動車 イヴァン・エスピノーサ社長
「日産の業績回復は急務です。今日から私たちは日産の未来を切り開いていきます」
先月就任した新社長イヴァン・エスピノーサ氏が決意を口にするとともに、2024年度の連結最終損益が6708億円の赤字となったことが発表されました。
◇
近年、利益よりも販売台数にこだわって安売りを続けたことで、業績が落ち込んだ日産。
状況を打開するべく、去年12月にはホンダとの経営統合に向けた話を進めていました。しかし、リストラ案の進捗が遅れていた日産に対して、ホンダが子会社化を提示したことなどから今年2月には破談となっていました。
さらに13日の会見では、今年度の業績の見通しが現段階で立たないことも明らかに。その理由が…。
アメリカ トランプ大統領(今年3月)
「アメリカ製ではないすべての車に25%の自動車関税を課す」
世界を驚かせた、トランプ政権による関税政策です。トランプ政権が現在、日本の自動車に対して課している追加関税は25パーセント。
同じ自動車業界のトヨタも影響の見通しは難しいとしつつも、追加関税が発動した4月と5月の2か月分だけで1800億円の営業利益の減収を見込んでいるほか、日産も最大で4500億円の影響を受けるとしています。
こうした状況の中で、日産が経営再建策の一つとしてあげたのが大幅な生産体制の刷新です。
日産自動車 イヴァン・エスピノーサ社長
「生産体制を17拠点から10拠点に減らす」
世界にある車両生産工場を大幅に減らし、生産体制を統合していくことを明らかに。
──(減らす)7工場に国内工場は含まれる?
日産自動車 イヴァン・エスピノーサ社長
「どの拠点を対象にしているかはお話しできませんが、国内も対象に入っています」
国内の工場も対象に入っているとしました。さらには…。
日産自動車 イヴァン・エスピノーサ社長
「目標を見直し、2027年までにグローバルで2万人を削減することとしました」
「2万人」の人員削減を発表。これは社員の約7人に1人が会社を去ることを意味します。
──2万人削減に国内の人員は含まれる?
日産自動車 イヴァン・エスピノーサ社長
「残念なことに国内も入っています」
◇
日産の現役社員は…
──人員削減を決めたが知っていた?
日産の現役社員
「いま聞きました。たぶん明日(説明がある)。(同僚は)いままでこんなことなかったって言っていた」
先行きが不透明な中、今後、日産の経営立て直しは実現するのでしょうか。
(5月13日放送『news zero』より)