「相手の組長の顔を切りつけました」「地元の裏社会との軋轢です」…都心のど真ん中にある喫茶店で起きた“パリジェンヌ事件”の裏で起きていた中国マフィアによる恐るべき刃傷沙汰


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 ここでは、花田庚彦氏の『 ルポ 台湾黒社会とトクリュウ 』(幻冬舎新書)の一部を抜粋し、中国マフィアの実情に迫る。(全3回の1回目/ 続き を読む)

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台湾黒社会と横浜中華街

――今回の取材は中華街と台湾や中国のマフィアの繋がりについてが主題なのですが、日本の裏社会とは関係があったりするんですか?

「私のやっている店はありませんね。でも、一部の店は中国マフィアや台湾黒社会はもちろん、日本の裏社会とも繋がっています。そういう店では、地域を仕切っているボスが食事をしている姿もたまに見かけますね」

――いわゆるミカジメ料など、金銭の支払いはあったりしないのでしょうか?

「恐らくですが、払っている店が多いと思います。私は組合にも入っていないのですが、以前組合で飲食店をやっている人間から誘われたことはありましたよ。その時はキッパリと断ったのですが、それ以来は勧誘もないし、裏社会関係者の立ち入りもなくなりました」

――この辺りを縄張りとしているのは、稲川会系と聞いているが、その認識で間違いありませんか?

「私の口からは、これ以上はもう何も言えません」

 この質問を最後に、この人物は何を聞いても答えてくれなくなってしまった。自身の店は裏社会やマフィアとは無関係を貫いているとのことだったが、それはそれで様々な苦悩があるのだろう。

 続いては、ある華僑の人間に同じく中華街について話を聞いた。少し本題からは外れるが、彼が言うところによると、華僑と一括りに言っても、華僑と華人、老華僑と新華僑など様々な分類があるそうだ。

「台湾を含む中国に国籍を持つ人間を華人と呼び、台湾人や中国人国籍の人間が片方の親であったり、中国に何かしらのルーツを持つ人間は華僑と説明するのが一番分かりやすい」

 立命館大学で国際教育推進機構の准教授を務める駒見一善氏が発表した論文「大阪・京都の華僑華人と社会変容」によると、日本における華僑の人口は、2018年度時点で82・5万人だとされている。だがこの人数にも諸説あるようで、上記の華僑の人間はこれについてこう疑念を呈した。



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