慢性的な混雑が続いている羽田空港の駐車場を巡って、運営会社が今年6月から「転売禁止」や「登録者情報更新の制限」など、新たなルールを設ける。背景にあるのが駐車場予約枠の転売の横行だ。1か月前から予約料1000円で枠を押さえられるというシステムを悪用し、高額転売する“予約代行業者”が跋扈。中には3万円もの高値を吹っ掛けるケースもあったとか。実はいま、このような「予約枠転売」に目をつける転売ヤーが増えているのだという。
【写真を見る】既に6月も土日は「すべて満車」になっている羽田空港の駐車場
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物議を醸した羽田空港駐車場の“予約代行”
「航空券をキャンセルするわけにはいきませんから、腹が立ちますが払いましたよ」
と話すのはGWの連休を使って東南アジアに家族旅行に出掛けたAさん(40代男性)だ。
まだ小さい子どもが2人いるAさんにとって、車移動は何かと都合が良い。空港に向かうにしても、電車では座席の確保や、混雑した車内で子どもがグズった時の対応などいちいち気が休まらない。飛行機を利用する際、車を駐車場に停めて旅立つというスタイルは、Aさん家族にとって必須条件となっていた。
ところがここ数年、もともと取りにくかった羽田空港の駐車場がますます予約困難に。
「予約の受付開始である1か月前、PCの前で待機して頑張ってはみたのですが…」(Aさん)
予約争奪戦の結果は惨敗。連休中の旅程だったこともあってか、予約枠は瞬く間に埋まってしまったという。
仕方なくAさんが利用したのが予約代行を謳う業者だ。
「“羽田空港 予約代行”とかで検索すると、予約枠を転売する業者がたくさん出てきます。その中でも1番安いところを探しましたが、それでも1万円ぐらいかかりました。元は千円なわけですから、こういう“転売ヤー”にお金を払うのは腹が立ちますが、駐車場を確保できないと旅行の計画が狂ってしまう。仕方ありませんでした」(同)
実は今、こうした予約システムを悪用した「予約枠転売」がじわりじわりと増えているのだという。