「僕はレストランの社長」「交際費ですよ」“元自民党幹事長の長男”に利益供与した空港ビル会長が、辞任直前に繰り広げた“無責任釈明”


 記者の取材にこう語気を強める男性。羽田空港ターミナルビルの管理運営を行う日本空港ビルデング(東証プライム上場。以下、空港ビル)の鷹(たか)城(しろ)勲(いさお)前会長兼CEO(81)だ。

 鷹城氏は5月9日、同社の横田信秋前社長兼COO(73)とともに辞任を申し出、取締役会に受理された。

「総額4億円超の利益供与」を主導したのは横田氏

 鷹城氏は05年に社長に就任すると、16年に横田氏に社長ポストを譲り、会長兼CEOに昇格。20年以上、代表取締役の座に君臨し、長男は総務・人事部長に就いた。調査報告書では、長期政権で「ガバナンスを無効化」し、古賀氏長男をめぐる一連の取引も鷹城氏が「トップダウンで指示を出し」たと認定された。

「週刊文春」記者はこの報告書が出る3日前の6日、鷹城氏を約40分に渡り直撃。鷹城氏は“無責任釈明”を繰り広げていた。

「横田に最初に任せた。その後は俺は知らない」

「そうそう。マッサージチェア自体は別に悪い話でも何でもないから『検討しなさい』と横田に紹介した」

――自身の責任は?

「僕自身は、はっきり言っときますけど、お金のやり取りとか、そういうのには全く関与してません。横田に最初に任せた。その後は俺は知らない」

「週刊文春 電子版」では4月11日、 鷹城氏による会社の“私物化”を報道 。冒頭の言葉は、これへの反論だった。記者が「在任が長すぎる」と指摘すると、

「僕はね、この会社に精一杯のことはやってるつもりですよ。在任期間長いのは私物化っていうの?」

 同社関係者によれば、鷹城氏は20年間、毎日の昼食代を会社経費で落としていたという。関連会社が経営する羽田空港第1ターミナルの和食と中華の店がお気に入りで、客が行列を作っているのを横目に我が物顔で入店し、席に着いていたというのだ。

――昼食代はすべて会社経費で落としている?

「僕はレストランの会長ですよ。サービスであったり食事の内容だったり。ウチの役員を連れて行って、試食をして食べて。彼らに『直すところは直せ』と」

――タダですよね。

「『交際費』ですよ」

 今後の同社は悪しき風土を払拭できるかが課題だ。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月22日号



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