たったの計280円…不景気の中国で若者がすがる「公設食堂」の激安メニュー 逃げ切り世代との落差が浮き彫りに


【写真】一品3元(60円)前後と格安…中国の「公設食堂」本日の献立 ほか

 ***

 それでも、上海の友人知人たちは「不景気だ」という。街の表面からは明らかな不景気感は伝わってこないが、クライアントの支払いが滞っているという話、これまでの業務を切り上げて新たな分野を開拓したいという話、勤めている会社が市中心部から郊外へオフィスの引っ越しをした……といった話はよく耳にするようになった。そんな空気の中、それぞれに不景気への対策を考えているらしい。

 景気の後退はじわり、じわりと上海の人々の暮らしを変えつつある。40代会社員のNさんは、日用品の買い物をECアプリ「淘宝」から、安いグループ購入アプリ「拼多多」に切り替え、さらに日常で使う消耗品メーカーのランクを下げた。それだけで出費は半額くらいに抑えられるそうだ。30代会社員Yさんは、「コスメはひとつを使い切ってから新しいものを買うようにした」という。それまでは新商品が出たとき、口コミを見てよさそうだと思ったら、なにも考えずに即買を繰り返していた。使い切れないことが多かったそうだ。

 ネットなどでは就職難の記事を見ることも多い。上海市内の外資系メーカー役員で人事に関わる40代のCさんによると、昨年は募集人数1名のところ4,000人もの新卒生の応募があった。書類審査だけで数日かかった。寝る間もなかったという。

「しかも、北京大学や清華大学の新卒生を落とさなければならなかった。応募者の中にはアメリカやイギリスの有名大学を卒業して帰国した子も複数いる。みんなとにかく優秀で、面接でもどこかのCEO並みに堂々とプレゼンしてくるんです」

 ということは、国内には就職できなかった優秀な学生がごまんといるのだろう。



Source link