天皇、皇后両陛下の長女の愛子さまが5月18、19日に能登半島地震からの復興状況を視察するため、石川県の七尾市と志賀町を訪問する。もともと昨年9月に予定されていたが、豪雨による被害が発生して取りやめになっていた。災害復興の支援や被災地の訪問は、皇室の大切な役目であると同時に、日本赤十字本社(東京都港区)で勤務する愛子さまにとっては、ライフワークともなる公務だ。皇室と日赤の歴史に詳しい専門家に話を聞いた。
【写真】「愛子さまが日赤カラーコーデを…」と話題に!美しい深紅と白のワンピース姿
* * *
■「頑張って行ってらっしゃい」とご両親に送り出され
〈皇室の役目の基本とは「国民と苦楽を共にしながら務めを果たす」ことであり、それはすなわち「困難な道を歩まれている方々に心を寄せる」ことでもある――〉
愛子さまは2024年春に、日本赤十字社への入社を前にした文書回答で、ご自身が考える皇室の役目についてこう、明かした。
愛子さまは、ボランティア活動や福祉活動に興味を抱くなかで、国内外の災害救護活動や人道危機への救援活動など多様な活動をする日赤に魅力を感じ、ご両親に相談したところ、背中を押され入社に至った。
初出社の日の朝は、雅子さまと陛下に「頑張って行ってらっしゃい」と送り出されたという。
愛子さまは常勤の嘱託職員として入社。配属先の「ボランティア活動推進室 青少年・ボランティア課」では、ボランティアグループの育成や研修などを担っている。
■社章に迷うと、皇后が頭の簪を…
よく知られていることだが、皇室と日赤の縁は深い。それは、日赤の社章(社紋)の成り立ちをみてもよくわかる。
近現代史を専門とし、『日本赤十字社と皇室』の著書もある、山梨学院大学の小菅信子教授によれば、『人道―その歩み 日本赤十字社百年史』には、興味深い話が掲載されている。
初代社長の佐野常民が、明治天皇の妻である昭憲皇太后に、社章について迷っていると申し上げたところ、皇太后は頭にさしていた簪(かんざし)に彫りつけてある桐竹鳳凰を使ったらよい、と示した。