昨年7月の東京都知事選挙で無名の新人ながら15万4638票を獲得し、供託金は没収されたものの、その卓越したAI(人工知能)に関する知識で一部のインテリ層に強い印象を残した安野貴博氏。その安野氏が5月8日に都内で会見を開いた。
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「チームみらい」を結成し、今夏の参院選で選挙区と比例区で10人以上を擁立し、自身は比例区から出馬することを表明したのだ。目標得票率は2%以上で、これを満たせば国政政党となり、政党交付金を受け取ることが可能だ。
ちなみに2022年に結党し、同年の参院選の選挙区で201万8214票(3.8%)、比例区で176万票(3.3%)を獲得した参政党は、2022年分として7702万円、2023年分として1億8492万3000円、2024年分として1億8922万円を受け取っている。
■新党立ち上げに立憲民主党は落胆?
「チームみらい」が目指す社会のキーワードは「プルラリティー」。多様性や多元性を意味する言葉だ。
ともすれば、現代社会は孤立化・分断化を生じがち。そこに民主主義とテクノロジーを共生させることで、ボーダーレスに相互理解・相互尊重を生み出そうというもので、台湾のオードリー・タン初代デジタル相や経済学者であるグレン・ワイル氏が提唱している。
安野氏は都知事選後に、東京都全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた取り組みを進めるGovTec東京のアドバイザーに就任。立憲民主党や国民民主党と「デジタル民主主義」に向けた政策決定プロセスの構築にも寄与している。
そんな安野氏との連携を密かに期待していた立憲民主党の幹部もいて、新党結成の一報に落胆したとの話もある。
ところで、筆者は以前から安野氏の参院選出馬を期待していた。とりわけ、東京都選挙区では定数の6議席のほか、昨年の都知事選に出馬するために辞職した蓮舫氏の議席の補選を加えて、7議席を争うという広い間口となっている。さらに、1人で大量得票をさらっていく“スター”が不在なため、その能力が都知事選で注目され始めた安野氏にも当選の可能性があると思われたからだ。