露ウクライナ直接交渉は成果なく終了 ロシアが優位な戦況背景に停戦条件のハードル上げる


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報道によると、ロシア側は16日、2014年から実効支配するウクライナ南部クリミア半島の割譲を求めた。さらに、22年に一方的に併合を宣言したウクライナ東・南部4州からの撤退もウクライナに求めたという。

開戦直後の22年春、合意の寸前でウクライナ側が拒否したとされる停戦案があり、ロシアはその時点ではウクライナ東部ドネツク、ルハンスク両州の帰属変更を求めるにとどめていた。南部へルソン、ザポリージャ両州はロシアがその後に占領地域を拡大し、併合を宣言した地域だ。

「停戦は戦場の現実に即したものでなければならない」というプーチン露大統領の主張を踏まえ、3年前の要求に新たな条件を上積みした形だ。

ロシアは15、16日、ドネツク州などで前進を続けていると主張。ラブロフ露外相も「(ウクライナは)小さくなっている」と述べ、停戦で合意するよう圧力をかけた。

しかし、ロシアの領土的野心が収まる保証がない以上、ウクライナが停戦に応じられないことは明らかだ。

プーチン氏は今回、トランプ米大統領が求めた「30日間の無条件停戦」に応じず、代わりに直接交渉を提案。トランプ氏がそれに乗ってゼレンスキー氏に同意を求めるという経過をたどった。

プーチン氏はゼレンスキー氏が求めた首脳同士の会談も回避した。米、ウクライナともプーチン氏に翻弄(ほんろう)されたようにみえる。

それでも、トランプ氏は難局打開には自身とプーチン氏の関与が必要だとみており、対露批判を強める欧州と協調することは当面、考えにくい。プーチン氏には今後も欧米の間にくさびを打ち込み、連携を阻止する思惑があるとみられる。



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