4月からの番組改編を知らなかった人は、テレビをつけた瞬間に戸惑ったかもしれない。
【写真】狩野英孝が下積み時代に通った、東中野の「思い出の店」
日曜朝10時のフジテレビ。2025年3月までは『ワイドナショー』が放送されていた枠だ。11年にわたり放送され、視聴者に強烈な印象を残したが、4月20日の10時に画面に映った番組はまったく違うものだった――。
「好きな芸人ランキング」でつねに上位に名を連ね、老若男女問わず幅広い層から支持を集めるお笑いコンビ、サンドウィッチマン(伊達みきおさん、富澤たけしさん)。そして2人と同じ宮城県出身で公私ともに親交が深く、その独特のセンスで人気を誇るピン芸人の狩野英孝さんが、新たな散歩番組『かのサンド』をスタートさせたのだ。
『ワイドナショー』の後番組となると、相当の気負いと気合いがあるのではと勝手に想像しながらチャンネルを合わせると、いい意味で“ゆるい”空気に意表をつかれた。いったい、どんな番組なのか。
裏番組には、TBS系の『サンデージャポン』や日テレ系の『シューイチ』など、人気番組がひしめいている。なぜそこに、あえて「散歩番組」なのか。そしてなぜ今、サンドウィッチマンと狩野英孝さんをキャスティングしたのか。
その意図を、フジテレビ編成部の企画・浅野翔太郎さんと、演出の有川崇さんに聞いた。
■フジテレビで「街ロケ番組」は少なかった
「かのサンド」は、「サンドウィッチマンが終の棲家を見つける」ことをテーマとした“お散歩バラエティ番組”だ。
狩野英孝さんが案内役となって毎回違う街を訪れ、時折ゲストを迎えながら、その街のグルメを楽しんだり、健康によさそうなスポットを巡ったりする。その合間に3人による「即興コント」が入るのが、他の散歩番組とは違う部分である。
前番組の『ワイドナショー』とはまるで雰囲気が違う。
「タイムテーブルの多様性を考えたときに、フジテレビはゴールデン帯に“街ロケ番組”があまりないんです。このジャンルを掘っていきたいという思いがありました(『かのサンド』は企画段階ではゴールデン帯を目指した番組だった)。では、誰で街ロケをするか。真っ先に思い浮かんだのがサンドウィッチマンさんです。サンドさんといえば、街ブラの達人ですよね。街中でも劇場でも、一般の方との絡みが本当に面白いんです」(浅野さん)