今日は会社の飲み会です。Aさんは、先輩のBさんとともに会場へ向かっています。銀行の横を通るときに、先輩が「ちょっと待っていて」とATMに入って行きました。
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「お待たせ」と出てきた先輩は、なんと、キャッシングをしてきたとのこと。しかも、ここ何ヶ月かは、給料日数日前に3万キャッシングして給料日に返していることが多いとか。今月も、給料日まであと5日あります。
キャッシングって金利が高いのでは? 借りてしまって大丈夫なのでしょうか。少額・数日間の借り入れだと安くすむのでしょうか。本記事で、FPである筆者と一緒に確認してみましょう。
キャッシングは高金利、でも上限が決められている
クレジットカードは買い物のときに利用するほか、キャッシングという方法で、お金を借りることができます。
クレジットカードを利用するときは、いったんクレジットカード会社に代金を立て替えてもらい、クレジットカード会社に返済をします。クレジットカードでキャッシングをする場合は、クレジットカード会社からお金を借りることになるので、クレジットカード会社は「貸金業者」として貸し付けを行います。
貸付金利については、利息制限法により、10万円未満は上限20%、10万円以上100万円未満は18%、100万円以上は15%と上限が決められています(また、貸金業者から借り入れをする場合、総量規制により、借入金額の上限額が年収の3分の1までに制限されます)。
図表1
このように、金利は各貸金業者により異なりますが、上限金利の範囲内で設定されています。一般的にクレジットカードでのキャッシングの金利は15~18%と高金利です。
利息の計算は金利と借入期間で決まる
急にお金が必要になったときに、持ち歩いているクレジットカードを使って、銀行やコンビニエンスストアでお金を引き出す(=借りる)ことができるのは、とても便利です。
しかし、引き出すときに手数料がかかることもありますし、何より「借金」ですから、返済時には元本に加えて利息を払わなければなりません。
利息は、「借入金額×金利×借入期間」で計算できます。借入金額が大きいほど、金利が高いほど、借入期間が長いほど、利息が大きくなります。
利息を少なくするためには、金利をなるべく低いところで、借入金額は必要な分だけ、そして借入期間をなるべく短く(早めに完済する)ことが大切です。
Aさんの先輩の場合、キャッシングは一般的に「年利18%」、これに「借入金3万円」「利用期間5日」の条件で計算すると、
1年間借りた場合:利息=3万円×18%=5400円
5日間だけの場合は1年分を日割りして、利息=5400円×5日/365日≒73円
です。
ATMの時間外手数料が110円~かかるところと比較すれば、安くすむといえます。