【ワシントン時事】バイデン前米大統領(82)が18日に、進行性の前立腺がんと診断されたと公表したことを受け、米内外から早期回復を願う声が寄せられた。
同時に、今年1月までの在任中の健康状態に再び焦点が当たり、ホワイトハウスや民主党幹部が、職務執行に関わる同氏の衰えや病の兆候を国民の目から隠そうとしたのではないかとの疑念が持ち上がっている。
バイデン氏のがんについて、トランプ大統領は19日、記者団に「とても悲しい。なぜこれほど悪化するまで発見できなかったのか」と述べた。バンス副大統領は回復を祈りつつも、当時の大統領周辺や専属医師の対応に疑問を提示。「十分に健康でないなら、職を続けるべきでない」と述べた。トランプ氏の長男ドナルド・ジュニア氏は「また隠蔽(いんぺい)か」とSNSに書き込んだ。
物忘れや歩行のぎこちなさなど、米史上最高齢で大統領を務めたバイデン氏の衰えに対する懸念は、就任当初からやまなかった。最近では、バイデン氏の認知機能低下を側近が隠していたとする内幕本が話題となったほか、2023年に機密文書持ち出し事件を巡って行われた同氏への聴取の録音内容を米メディアが報道。長男ボー氏が死去した時期について、思い出すのに苦労する様子などが伝えられた。
バイデン氏は、職務遂行に問題があったとの見方を否定し続けている。19日にはX(旧ツイッター)に「がんは誰にでも降りかかる。傷ついた時こそ強くなれると学んだ」と、励ましへの感謝をつづった。