〈朝日新聞かと思わず二度見〉
それは“唐突”な紙面だった。安定的な皇位継承に向けた与野党協議が続く折も折、読売新聞が大胆な提言を行ったのだ。そこでは、議論から消えた「女性宮家」の創設を唱え、女性・女系天皇の可能性にも言及している。結果、保守派の激しい反発を招く事態となったのだが……。
【独占写真48枚】ふっくらしたラインがうっすら…体形が変化したように見える「眞子さん」と、その姿を気遣わしげに見つめる「圭さん」【小室夫妻の買い物デート】
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〈皇統の存続を最優先に〉
〈女性宮家の創設を〉
〈女性天皇に加え、将来的には女系天皇の可能性も排除することなく、現実的な方策を検討すべきではないか〉
5月15日の読売新聞は、1面、社説、そして見開きの特別面を使い、大々的に「読売新聞社提言」を展開、紙面には上記のような言葉が躍った。与野党協議の礎となっている有識者会議の報告書(2022年1月に国会へ提出)からは女性宮家の文言は消されており、今回の読売提言は、いわば、ちゃぶ台をひっくり返すようなもの。当然、「男系男子」にこだわる保守派は、
〈何とも面妖な紙面でした。朝日新聞かと思わず二度見してしまいました〉(長島昭久首相補佐官)
といった具合に、猛反発したのだった。
「旧宮家の男系男子の方が、皇族としての正当性があるはず」
大いに波紋を呼んだ読売の提言について、21年の有識者会議でヒアリングに応じた麗澤大学の八木秀次教授はこう解説する。
「提言には事実誤認や論理矛盾が見られます。例えば社説には『与野党協議では、女性宮家の創設について各党の意見が概ね一致している』とありますが、全くの間違いです。話し合われているのはあくまで女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案に過ぎません」
旧宮家の男系男子の皇族復帰案についても、
「社説では、長らく一般人として暮らしてきたことから『国民の理解が得られるのだろうか』としています。その一方、女性皇族の配偶者となる男性も一般人であるはずなのに、こちらは夫・子も皇族にとうたっている。そもそも旧宮家の男系男子の方が、よほど皇族としての正当性があるはずです」
「小室さんのお子さんが天皇になる可能性が……」
さらに、こう続けるのだ。
「私は21年のヒアリングで『女系継承では眞子内親王殿下(当時)のお相手との間に生まれたお子さまが天皇になる可能性もある』と述べました。女性宮家や女系天皇の議論は、小室圭さんのような人が皇族になる、あるいはそのお子さんが天皇になることを国民が認めるのかと考えれば、是非は明らかだと思います」(八木教授)
とはいえ、愛子さまと佳子さまは、今年12月でそれぞれ24歳と31歳になられる。これ以上、将来のお立場が不安定のままお過ごしいただくわけにはいくまい。皇室制度に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉准教授が言う。
「天皇としてのあり方、なさりようを引き継いでいかれるには、直系で継承するのが最良だと思います。現実的に考えれば、今上陛下から悠仁さまにさまざまなことをお伝えになるのは難しい。ご一緒に生活されながら背中を見て学ぶといった経験は、直系でなければできないと思います」
読売の“緊急提言”は、果たして与野党協議にどんな影響を与えるのだろうか――。5月22日発売の「週刊新潮」では、読売提言によって蒸し返された「女性・女系天皇問題」を誰が仕掛けたのか、という点などを含め4ページにわたって報じる。
「週刊新潮」2025年5月29日号 掲載
新潮社