「急展開の募集停止だったようです。大学職員は4月に入ってからも人文学部の新設に向けて動いていたと聞きました」
声を落としてそう語るのは、大学入試・教育調査を行うアロー教育総合研究所所長の田嶋裕氏だ。その大学とは京都ノートルダム女子大学。もともと京都女子、同志社女子とならんで京都三女子大と称された伝統校だ。2026年度からの人文学部開設を発表していたが、4月下旬に26年度からの学生募集停止が発表された。
共学化や統合も進む
女子大“閉鎖”の流れは全国に広がっている。私立女子大学で入学定員割れの大学は24年度で7割を超える。実際に女子大数のピークだった1998年の98校から2023年までの25年で25校も減少している。
直近でも23年3月には恵泉女学園大学が、同4月には神戸海星女子学院大学が、24年度からの学生募集停止を発表した。
共学化や統合も進む。25年度から東京家政学院大学、名古屋女子大学などが共学に舵を切る。26年度には学習院女子大学が学習院大学と統合する。
中高のブランドに影響が出る前に…
近年の動向について、駿台予備学校で長年入試情報分析を担当し、現在は大学入試アナリストとして活動する石原賢一氏はこう語る。
「募集を停止した学校法人は、傘下の中高のブランドに影響が出る前に大学を閉じようという判断をしています」
ノートルダムに続く危ない女子大学はどこなのか。東名阪三大都市圏の名門女子大25校を対象に、生き残りの余地を検証した。
現在配信中の「 週刊文春 電子版 」および5月22日(木)発売の「週刊文春」では25大学の将来性を直近の「志願者数の増減」「定員充足率」「一般選抜比率」から予測。識者の評価とともに生き残る大学、苦境にある大学を実名で詳しく報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月29日号