トランプ氏、また首脳会談で「公開非難」外交…南アフリカ「飛行機の贈り物がなく申し訳ない」


トランプ氏は両国の取材陣が見守る中で相手国首脳を対面の椅子に座らせて、予告もなく関連疑惑に対する動画を上映した。招待を受けた相手国の首脳に対してあからさまに「説明してほしい」と言って記事の束を手渡した。

◇「あまり尊敬を受けない大統領」…会談のない共同会見に変質

トランプ氏は開始早々難癖をつけ始めた。「ラマポーザ大統領と同席することができて大きな光栄」と言って短く挨拶を済ませた後、相手国の首脳を「ある分野では本当に尊敬を受ける方だが、公正に言うなら他の分野ではあまり尊敬を受けない人」と紹介した。そして「ゴルフ狂」であるトランプ氏の歓心を買うために歴訪団に含まれたアーニー・エルス、レティーフ・グーセンら南アフリカ出身のゴルフ選手の業績について長々と言及した。

首脳会談が実現した背景に関しては「彼(ラマポーザ大統領)がどのようにして私の電話番号を知ったのかは知らないが、電話をかけてきて『会いたい』と言った」と明らかにした。その後、「皆さんが新聞やメディアで読んだものなどに対して議論するだろう」としながらこの日の会談の主題を白人農夫問題として事実上限定した。

屈辱的な紹介を受けたラマポーザ氏は貿易と経済協力について話し合うと述べた。しかしトランプ氏は全ての発言を公開した後、非公開会談に切り替える首脳会談の通常の慣例を無視して記者団に対して「何か質問は」と言って直ちに公開質疑応答を進めてしまった。このため、この日の首脳会談は事実上内密な会談まで省略された共同記者会見形式に変質してしまった。

◇「あなたが白人の土地を奪い取らせるよう許容した…説明を」

南アフリカで発生した白人農夫殺害(genocide)疑惑に対する質問が出てくると、トランプ氏は「(集団殺害被害者は)一般的に黒人ではなく白人農夫だった」と主張した後、「彼らは南アフリカを離れていて、これは悲しいこと」と話した。

あわせて、相手国首脳を眼の前にして「あなたは彼らが土地を奪われるがままに許容し、彼らは(白人の)土地を奪う時、白人農夫を殺害する」とし「彼らが白人農夫を殺害しても(法的責任など)何も起きない」と主張した。

トランプ氏は続いて参謀に照明を落とすように言うと、続けて動画を流すよう指示した。動画には大規模な集会で南アフリカの野党政治家が「ボーア人(オランダ系南アフリカ人)を殺して、農夫を殺そう」という人種差別政策(アパルトヘイト)施行時期に黒人がスローガンを叫ぶ場面などが含まれていた。トランプ氏は「(動画に出てくる)あそこが数千人を越える白人農夫が埋められている埋葬場」と主張し、ラマポーザ氏に説明を求めた。

◇ラマポーザ氏の説明にも…「死、死、恐ろしい死」

ラマポーザ氏は「動画の中の扇動は政府と相反する少数政党関係者の主張にすぎず、誰も土地を奪うことはできない」として積極的に抗弁した。あわせて「南アフリカには犯罪があり人も死ぬ」とし「犯罪で死ぬのは白人だけでなくて、じつのところ大部分は黒人」とも付け加えた。

トランプ氏が「白人が埋蔵されたところ」と主張した場所について、ラマポーザ氏は「私はあのような場所は見たことがなく、どこなのか知りたい」とし、トランプ氏の主張の信憑性に対する疑問を提起することもした。

これを受けてトランプ氏は白人被害者関連の記事の束をラマポーザ氏に渡して「死、死、恐ろしい死」としながら、公開的に南アフリカ政府に再度責任を問うた。トランプ氏は南アフリカ内の白人に対する暴力事態に対して持続的に疑惑を提起してきた。3月には在米南アフリカ大使を該当の理由で追放したほか、世界難民受け入れを中断した中で、南アフリカ出身の白人49人を唯一の例外として米国で受け入れて論争を自ら招いたりもした。

◇南アフリカ「私にはあなたにプレゼントするジェット機がない」

しかし動画と関連資料まで前もって準備し、この日の会談を意図的に南アフリカ内の人種問題に追い込もうとしていたトランプ氏の意図とは違い、取材陣の間ではカタールがプレゼントした4億ドル(約573億ウォン)相当の超豪華ジェット機に対する質問が続いた。

トランプ氏は質問した記者やその所属メディアを「ファイクニュース、恐ろしいニュース、そしてとても悪い記者」とした後「数千人が死んだ事件を見てもあの間抜け(idiot)はあんなことを言っている。その質問は受けない」として露骨に不快感をあらわにした。

メディアとの公開口論を見守っていたラマポーザ氏は「申し訳ないが、私にはあなた(トランプ)にあげる飛行機はない」という骨のある冗談を飛ばした。これについてトランプ氏は「もしあなたの国が(私ではなく)米空軍に飛行機を提供するなら、私はそれを受け取るだろう」と答えて、対話の主題を急いで南アフリカ内の白人虐殺疑惑に戻した。

米国メディアは「白人虐殺」疑惑を全面に出したこの日の会談に対して「米国内の保守層を刺激するために意図的に設計した公開圧迫」と評価した。南アフリカメディアは「トランプの罠」または「待ち伏せ」と表現して「奇襲攻撃を受けた」という反応を出した。



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