昨年、ファイナンシャルプランナー1級の資格を取得したお笑いコンビ「サバンナ」の八木真澄さん(50)。著書『年収300万円で心の大富豪』も上梓し、今や芸人界きってのお金のプロという顔を持つようになりました。「ブラジルの人、聞こえますか〜!」などギャグを武器にしたスタイルで世に出ましたが、シフトチェンジを決意させた「もう詰んだ…」という絶望感。全国ネットの番組で司会も務める相方・高橋茂雄さんへのリアルな思い。苦悩の40代でもがく中つかんだ生き残る術とは。
■このままだと自分は終わる。確実に。
ファイナンシャルプランナー1級の資格を取ったきっかけは「もう詰んだ…」という思いでした。
いくつかいただいていたレギュラー番組が終わっていく。このままだと、なくなる一方だろう。そっちに向かっていることは空気でわかる。このままだと自分は終わる。確実に。そう思ったのが今から3年ほど前。47歳の頃でした。
相方は全国ネットの番組からもオファーをいただいてピンの仕事が激増している。ずっと「ザ☆健康ボーイズ」として筋肉ネタで営業に一緒に行っていたなかやまきんに君も吉本興業を2021年末で退所した。
きんに君もいなくなった。レギュラーも全てなくなるだろう。しかも、今の時代はあらゆる賞レースで優勝したチャンピオンが毎年何組も出てくる。面白くてイキのいい若手もたくさんいる。鮮度と力のある下がどんどん出てくる。50代はもう盤石の方々が揃っている。テレビの中での自分の立ち位置が全く見えなくなったんです。
そこでふと浮かんだ言葉が「もう詰んだ…」だったんです。
ただ妻も2人の子どももいるし「詰んだ」では終われない。打破するしかない。ただ、何をすることが打破になるのか。それを今一度考えたんです。
改めて冷静に周りを見た時に、僕らの世代ってプロフェッショナルしか残っていないんですよね。漫才なら漫才、司会なら司会、ラジオならラジオ、モノマネならモノマネ、何かしら「ここは絶対に負けない」というものを持っている人しかいないんです。
■フワッと残れるのは30代半ばまで
35歳くらいまではトップじゃなくても何となく“色”が良かったり、うまいことやっていたりしたら、フワッとは残れるんです。でも、50歳になったらそれでは残れない。