23日にNHK「ニュースウォッチ9」に生出演した小泉進次郎農林水産相の発言が、ネット上をざわつかせている。商品である備蓄米の価格が下がる仕組みについて、「減価償却」という経済用語を使って説明したからだ。
小泉農相は、一般競争入札から随意契約に切り替えて放出する備蓄米について、店頭価格が「5キロ2000円台」となるよう業者側に売り渡す方針を明らかにした。6月初旬にも店頭に並ぶとの見通しも示した。
これから放出されるのは2022、23(令和3、4)年産で、3、4年間倉庫で保管された備蓄米。もとは60キロあたり1万1000~2000円だったのを1万円ほどで売り渡すことになる仕組みを、「倉庫にある間の分、減価償却される」と説明した。
減価償却は、建物や設備などの長期間業務に使う固定資産についてなされる、企業会計上の処理。耐用年数に応じて、購入にかかった費用を数年間に分けて経費として計上する。固定資産が対象のため、売却が目的の商品の在庫には用いられない。
企業会計の知識が多少ある人にとっては不可解な発言なだけに、X(旧ツイッター)上には批判やあきれる書き込みが殺到。「『減価償却』を理解していない人が農林水産大臣ねぇ…」「簿記3級の知識でわかること」「ポエマー発揮 備蓄米の古米を『減価償却』と説明してしまう いつからコメは固定資産になったの?(笑)」「はじめて、お米に減価償却という言葉を使う人間を知りました」「この人が農林水産大臣 日本大丈夫か」などのコメントが上がった。
立憲民主党の小沢一郎衆院議員も事務所名義のXで反応し、「意味を理解していない知らない言葉を、かっこいい言葉だからと背伸びして使ってはいけない。まずは勉強を。大丈夫なのか?」と切り捨てた。
「言いたいことは分かるけどね。単に『古くなって購入時より価値が下がってますからその分安く売ります』って言えばいいのに…」「官僚からのレクチャーで、棚卸評価損や棚卸減耗を手っ取り早く減価償却と言ったのかな」「古いから価値が下がると言いたいんだろうけど、言い方間違えると美味しくないと言うことになるから難しかったんだろうな」といった、擁護や容認論も見られた。
中日スポーツ