「反知性主義」を強めるトランプ政権が史上最大の頭脳流出を招いている


【画像】「反知性主義」を強めるトランプ政権が史上最大の頭脳流出を招いている

ナチス・ドイツより先に原子爆弾を開発するという米国政府の極秘プロジェクト「マンハッタン計画」は、一流大学から集まった何百人もの優秀な科学者たちの力によって実現した。その多くはヨーロッパのファシスト政権から逃れてきた人々で、バークレー、コロンビア、MIT、プリンストン、パデュー、ミネソタ大学といった米国の大学に安住の地を見出していた。結果として、アドルフ・ヒトラーは原爆開発に近づくことすらできなかった。

だが、もしこの才能の流れが逆方向に向かっていたなら、今日の世界は全く異なる姿になっていたはずだ。

第二次世界大戦以降の80年間、連邦政府、学術界、産業界の連携によって米国はかつてない繁栄と経済成長を遂げてきた。これほどの成功を収めた国は他にない。世界で最も価値ある企業トップ10を見れば一目瞭然だ※1。そのうち8社が米国を拠点としている。連邦政府の資金提供を受けた研究は、インターネットからGPS、mRNAワクチン、アップルのSiriに至るまで、数々の革新的技術を生み出す原動力となってきた。

だが、この基盤の上に構築を続けるどころか、ホワイトハウスはそれを破壊することに躍起になっている。政権は反ユダヤ主義と戦うという偽りの旗印のもと、科学を攻撃し、大学への研究資金を削減している。その要求は市民権保護というより思想統制だ。差別との闘いではなく、進歩的イデオロギーへの攻撃なのだ。

結果は破滅的になりかねない。知識の流れが逆転する恐れがある。米国の競争相手国は、米国が自ら失敗の道を歩むのを静観し、第二次世界大戦中にドイツの科学者たちが米国に亡命して以来最大となる、この人材の大バーゲンセールに熱心に目を光らせている。

Scott Galloway From No Mercy No Malice



Source link