「山の幽霊」と呼ばれるユキヒョウとの遭遇。インドの渓谷で観光客が捉えた奇跡の瞬間


【画像】悠々と歩くユキヒョウを捉えた奇跡の瞬間

「山の幽霊」とも呼ばれるユキヒョウは、灰白色の毛皮をまとい、岩場に完全に溶け込む姿からそう呼ばれている。人前に現れること自体が稀であり、とくに5月に目撃されるのは極めて珍しい。ユキヒョウが現れたのは午後6時から7時の間、カザからナコへ向かう途中だそう。観光客の車のすぐ前を、落ち着いた様子で静かに歩くその姿は、まさに自然の奇跡だった。

撮影者のジャティン・グプタ氏がSNSに投稿した動画では、観光客が驚きと緊張の混じった声で「逃げてるよ」「近づきすぎたら窓を割られるかも」と話す様子が記録されている。ユキヒョウは時折立ち止まりながらも、車を気にすることなく、その長い尻尾を揺らしながら悠然と歩き続けた。グプタ氏は「魔法のような瞬間」と投稿し、大きな反響を呼んだ。

ユキヒョウはインドの日またや地方を含む中央アジア〜南アジアの高地に生息し、インド国内の推定個体数は718頭。そのうちヒマーチャル・プラデーシュ州にはわずか51頭しかいない。標高3000〜4500メートルという過酷な環境で暮らしており、その姿を目にすることは、プロの野生動物写真家でさえ容易ではない。

動画の拡散とともに称賛の声が多く寄せられる一方で、詳細な位置情報の公開が密猟リスクにつながる可能性を懸念する意見もあった。絶滅危惧種であるユキヒョウの保護には、自然との適切な距離感と慎重な情報共有が求められる。



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