(CNN) ノルウェーのフィヨルド地帯でこのほど、自宅の前の庭に巨大なコンテナ船が座礁している状況にもかかわらず、住民の男性が眠り続ける出来事があった。
ノルウェーのテレビ局TV2の報道によると、トロンハイム・フィヨルド内の自治体に住むヨハン・ヘルベルグさんは22日朝、近所の人から「家の外の船に気付いたか」と尋ねられて目が覚めた。
玄関の外を見ると、家の前の庭に全長135メートルのコンテナ船が停止していた。
「もし船がすぐ隣の岩場に衝突していたら、浮き上がって家に激突していたはず。ほんの数メートルの差だった」と、ヘルベルグさんはTV2に振り返る。
海辺から約40メートルの場所に住む隣人のヨースタイン・ヨルゲンセンさんはTV2の取材に、船が接近する音で目が覚めたと語った。
「窓の外を見ると、船が猛スピードで海岸に向かっていた」とヨルゲンセンさん。屋外に飛び出して大声で警戒を呼びかけた。
船はみるみる接近してきて、隣人の家の壁から約8メートルの位置で座礁したという。
この船はフィヨルド南端のオルカンゲルに向かっていたとされ、座礁時には16人が乗船していた。
海運会社NCLの幹部は今回の一件を「重大な事故」と呼び、「座礁で負傷した人がいなかったことに感謝している」と表明した。
この幹部は声明で「現時点で原因は分かっていない。関係当局による進行中の調査の結果を待っている」と説明。「現在は船の損傷状況を評価中だ」としている。
船を引き離すためにまず、タグボートが派遣されたが、これは失敗に終わった。
ノルウェー沿岸管理当局の声明によると、22日夜には、サルベージ会社が満潮時に船を再び水に浮かべようと試みたものの、不可能と判断されたという。
沿岸管理当局は、再トライの前に地質技術的な調査が必要になるとしている。