フランスのマクロン大統領が妻のブリジット・マクロンさんに顔を叩かれたように見える映像について、大統領府は「2人は単にふざけていただけだ」と説明した。
【動画】マクロン大統領が妻のブリジットさんに顔を押されているように見える映像
この動画は、マクロン夫妻が5月25日夜にベトナムの首都ハノイに到着した際に撮影された。
AP通信が撮影した映像には、飛行機の搭乗口が開いたタイミングで、ブリジットさんが夫の顔を押したように見える場面が捉えられていた。
顔を押されたマクロン大統領は、一歩下がった後に体勢を立て直し、機外に向かって手を振っている。一方、ブリジットさんは機体で隠れており、表情や身振りはわからない。
この出来事の後、夫妻は一緒に飛行機のタラップを降りた。
「平手打ち」説が拡散
この映像はソーシャルメディアで拡散し「マクロンが妻に平手打ちをされた」などのコメントが投稿された。
陰謀論者で知られるアメリカのアレックス・ジョーンズさんも「フランスのかいらい大統領のエマニュエル・マクロンが、妻を装ったものに公衆の面前で顔を叩かれた」とコメントしている。
一方、大統領側はSNSで広がった「平手打ち」説を否定。France24によると、マクロン大統領は記者団に対し「私たちはふざけていただけで、単なる冗談です」と述べた。
また、この出来事が大きく取り上げられていることについて「まるで地球規模の大惨事のように扱われている」とも語った。
マクロン大統領は、5月初旬には「コカインの袋を持っていた」という陰謀論が拡散している。この時、ドイツのメルツ首相とイギリスのスターマー首相とともに列車でウクライナへ向かっていたマクロン氏は、テーブルの上にあった白い紙を手で握って見えないようにした。この白いものが「コカインの袋だ」と主張が広がったが、実際はティッシュだったことがわかっている。
マクロン大統領は「私がコカインの袋をわけ合った、トルコ大統領と揉み合った、そして今度は妻との家庭内トラブル……どれも事実ではありません。皆さん、落ち着いてください」と語った。
フランスの大統領府も「大統領夫妻は、訪問開始前の最後のひとときを、リラックスしてふざけ合いながら過ごしていました。これは二人の親密さの表れです。しかし、陰謀論者たちに“燃料”を与えるにはこれだけでも十分だったのです」と述べている。
マクロン氏のベトナム訪問は、フランスの大統領としては約10年ぶりとなる。アメリカのトランプ大統領がEUやベトナムに高い関税を課す中で、フランスとベトナムとの協力関係を強化することが今回の訪問の重要な目的になっている。