「忖度しない」小泉進次郎農水相、農政転換に着手 減反廃止でJAは反発か


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■改革に意欲「まずは米価抑制」

「必要な見直し、点検をしないといけないのは明らか。まず過度なコメの価格高騰を抑制できたという成果を届ける」

小泉氏は27日の記者会見で、農政改革の推進に意欲を見せた。

石破茂首相は21日、コメ価格を「5キロ3000円台」に下げると表明。小泉氏も備蓄米について5キロ当たり「2000円程度」で流通すると言及した。

これまで政府は備蓄米の放出にあたって具体的な価格には触れず、市場介入しないとの立場だった。首相と小泉氏は方針転換を鮮明にしている。

小泉氏は高騰する米価を落ち着かせた上で「消費者、生産者ともに納得できる(価格の)一致点を見いだす」構えだ。

事実上の減反政策をやめ、コメの増産を推進。作りすぎて余った場合は輸出したり、価格が下落した際は農家に補償したりする方策を検討している。

■自民部会長として大きな成果出せず

日本の米作は岐路に立っている。コメの需要が減る中、政府は減反政策廃止後も転作する農家への補助金などを通じて事実上の減反を続けてきた。だが、生産能力は減退。猛暑での不作や訪日客の消費増などが重なって「令和の米騒動」が起きた。わずかな要因で流通や価格が影響を受けやすい脆弱な構造が浮き彫りになっている。

政府が4月に決定した中長期的な農政方針ではコメ増産の姿勢を打ち出したが、輸出用や米粉用などの支援策にとどまり、踏み込み不足との指摘が根強い。

今後の改革の方向性によっては、JAなどが反発する可能性もある。コメの増産で米価が下落すれば手数料収入の減少などにつながるためだ。

小泉氏は自民党農林部会長時代にJA改革に取り組んだが、JA側と対立。大きな成果をあげることはできなかった。



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