【全2回(前編/後編)の前編】
「芸能人は歯が命」でも政治家には身嗜みがまず求められる。だが、石破茂首相(68)にはなにかとその装いに注文がつき、見かねた支援者らがついにオーダースーツを贈る運びとなった。一方、日米首脳会談の切り札たるこの特注品には、ある疑念も指摘されていて……。
【写真を見る】いつになくサマになってる……石破首相の「超高級オーダースーツ」姿 “ヨレヨレ”と心配された普段の着こなしと比較すると
***
東京・永田町には国会議員のための歯科診療所が三つあり、そのうちの一つは自民党本部の隣り、参議院第二別館の3階で開業している。5月15日午前8時過ぎ、数名のSPを伴って、そこを訪れた人物がいた。石破茂首相だ。
自民党関係者が言う。
「石破首相は昔から『参議院第二別館内歯科診療所』に通っています。かなりの愛煙家のため、歯にヤニが付着する。その汚れを気にして、定期的に歯医者に通っていると聞きました」
新聞の首相動静欄によれば石破氏は昨年10月の就任以来、計15回、そこで歯のクリーニング処置を受けている。芸能人もかくや、という頻度だが、
「時間に余裕のあった首相就任以前は週に1回、その歯科診療所に通っていました。今は忙しいからでしょう、通院回数自体は減った方ですよ」(同)
「バブル時代のサイズ感」
もっとも、首相に就任して以来、国民が気にかけてきたのは、その身なりのほうである。実際、SNSは、石破首相のスーツの着こなしが「だらしない」との批判の声で溢れている。
ブランディング戦略家で政策秘書の経験も持つ、鈴鹿久美子氏が言う。
「石破さんのスーツの多くはサイズが体形に合っていないんです。ジャケットの丈が長過ぎるし、肩幅も広過ぎる。バブル時代のサイズ感で着ています。骨格に合っていないだけでなく、肩パッドが入っているので、腕を動かして握手した時に肩の部分が浮いてしまう。欧米の首脳は絶対そんなスーツは着ませんよ」
「基本的にポケットは空にするものだが……」
続けて苦言を呈するには、
「石破さんはジャケットのポケットに日程表などを入れるそうですが、ポケットに物を入れるとジャケットの形が崩れるので基本的にはポケットは空にするのがルールです。入れるとしてもせいぜい、名刺50枚ほどが限度です。お付きの方々はアドバイスしないのでしょうか」
とはいえ、石破首相の周囲にも服装の問題を真剣に心配する人物がいた。浅草の老舗そば屋「十和田」の名物女将(おかみ)、冨永照子さん(88)だ。女性経営者らが全国のまちおこしのアイデアを共有する組織「ふるさと創生ニッポンおかみさん会」の代表でもある彼女は、石破首相と10年来の親交を持つという。