【ワシントン=淵上隆悠】米公共ラジオNPRは27日、NPRと米公共テレビPBSに対する公的資金の提供停止を定めた大統領令を巡り、トランプ政権を相手取り停止措置の差し止めを求めて首都ワシントンの連邦地裁に提訴した。NPRは、問題とした大統領令が言論の自由を定めた憲法修正第1条に違反していると主張している。
トランプ氏が1日に署名した大統領令は、NPRとPBSについて「納税者である市民に対し、出来事を公平、正確、偏りのない形で伝えていない」と指摘し、両者に資金を分配している公共放送機構(CPB)などに資金提供の停止を指示した。訴状によると、議会はCPBに年間約5億ドル(約720億円)を割り当てている。
NPRは27日の声明で「大統領が好まないニュースや番組があったため、懲罰を目的としていることは明白だ」と大統領令を非難した。