近年、糖質制限や低糖質ブームにより「糖質=悪者」というイメージを持つ人が増えました。しかし、糖質は五大栄養素の一つであり、私たちの体にとって重要な栄養素です。今回は、この糖質を多く含む「炭水化物」の選び方、食べ方についてお伝えします。(管理栄養士 岡田明子)
● なぜ糖質は悪者扱いされるのか
糖質の多い食品を摂取したり、早食いしたり、空腹時に大量摂取すると、血糖値が急上昇します。その血糖値を低下させようとインスリンが大量に分泌されるため、血糖値は急下降します。このように、血糖値が乱高下することを「血糖値スパイク」と呼びます。
血糖値スパイクは、血管に大きな負担をかけるため、動脈硬化の進行を早めたり、脂肪の合成が早まり、肥満につながります。また、インスリンの大量分泌により低血糖を引き起こしやすく、強い空腹感を感じて食欲が増進されます。
つまり、糖質を取る際には空腹時を避け、適量を、ゆっくりよく噛んで食べることで、肥満防止に繋がる効果があるのです。
糖質は5大栄養素(他に、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル)の一つで、炭水化物から食物繊維を除いた栄養素の総称です。主食であるご飯やパンなどの炭水化物は糖質も多く含むので、選び方や食べ方にひと工夫が必要です。
【食物繊維の量を意識する】
食物繊維には、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。炭水化物の中でも、食物繊維を多く含むものを選んだり、食物繊維を多く含む食材を一緒に食べることで血糖値の上昇を抑えることができます。
さまざまな炭水化物の100g当たりの食物繊維量を比較してみました。
● 主食に含まれる食物繊維の量を比較
主食には、玄米、全粒粉パン、そばなどの精製されていない茶色っぽい色のものを選ぶとよいでしょう。
主食が白米や食パンの時は、おかずに食物繊維を多く含む豆類や野菜、きのこ類を一緒に食べることで血糖値の上昇を抑えることができます。100g当たりの食物繊維が多い食品を、次の表にまとめました。