『半沢直樹』で強烈キャラ→“ドラマ掛け持ち”の売れっ子に 「無表情なのにクスッとくる」江口のりこが同性から支持される理由


 朝ドラ『あんぱん』(NHK総合)では、今田美桜演じるヒロインの母親役を好演。それだけでも十分に忙しそうだが、『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(TBS系/以後、『対岸の家事』)と『ソロ活女子のススメ』(テレビ東京系)にもレギュラー出演している。

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 以前から“名バイプレーヤー”として評価されていた江口だが、ここにきて各局から引っ張りだこになっているのには理由がある。

“働くママ”役で同性から熱烈な支持

 一方、『対岸の家事』では、ワンオペで2人の子どもの育児をしながら働くママ役を演じている。

 育休明け、営業部から総務部に異動になり、時短勤務でギリギリの綱渡りの日々を送る姿はリアルそのもの。職場で後輩から掛けられる何気ない一言に傷つき、デリカシーのない夫の一言に引っかかり、それでも立ち止まっている暇などなく、感情を押し殺す。

 そのたび、江口扮するワーママの顔面は表情をなくし透明人間のようになる。少しでも周囲に期待した自分を悔いるように、無言ながらも言えなかったSOSが蓄積されているのが見える。

『半沢直樹』で演じた“クセ強キャラ”が転機に

 江口がお茶の間に認知されたのは、なんと言っても40歳で出演した『半沢直樹』(TBS系/2020年)での国土交通大臣・白井亜希子役だろう。白井は、ドラマ後半に投入された、堺雅人扮する主人公・半沢直樹と敵対する役どころ。白スーツを身に纏い、元キー局のアナウンサーというのも納得の機転の良さを見せる。

 江口が所属する劇団東京乾電池の座長・柄本明が、白井の後ろ盾として暗躍する大物議員・箕部役を演じており、江口演じる白井は、「好感度」を武器に隙なしの笑顔を張り付けながらも、自分の求める理想と、箕部から求められる操り人形としての役割の乖離にバランスを失い、身動きが取れなくなっていく。

 自身の意志を置き去りにしなければならない瞬間、江口扮する白井もまた透明人間のようになる。彼女の目や視線が衝撃を受け取り、空っぽになる瞬間、泣いたり怒ったりするよりも、いかにそのショックが大きかったのか痛いほどに伝わってくる。

 政界という男性主流の世界で、白井が抱く誤魔化しきれない違和感の正体は、働く女性はもちろんのこと、何かの付属品や添え物のように扱われた経験のある女性には身に覚えのあるものだろう。



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