このところ大きな人気を集めているメキシコの有名歌手の米国公演が、ビザの取り消しによって直前に中止になったことが分かった。
米国南部やメキシコ全域、南米で高い人気を集めている歌手のフリオン・アルバレスさんとそのバンド(フリオン・アルバレス・イ・ス・ノルテーニョ・バンダ)は5月24日、所属事務所を通じ「テキサスでの5万人規模のコンサートを中止し、前売りチケットの返金手続きを進めている」と明らかにした。
アルバレスさんは同日、テキサス・アーリントンのAT&Tスタジアムでコンサートを開催する予定だった。チケットは全席ソールドアウトで、すでにコンサートに向けてステージの設営も完了していた。
アルバレスさんの所属事務所は「予想外の状況によって歌手とバンドがステージに立てなくなった。アルバレスはイベントのために米国に入国することができなかった」と明らかにした。メキシコ現地の各メディアは所属事務所がスケジュールの再調整とチケットの返金手続きを進めていると報じた。
アルバレスさんも自身のインスタグラムで「コンサートのために取得していた就業ビザが取り消されたと前日に通知された」と明かした。さらに「理由は分からず、自分ではどうすることもできない状況のようだ」とつづった。
これに関連し、国務省のスポークスマンは米NBCニュースに対し「ビザの記録は米国法に則って秘密にすることになっており、個別のケースについては言及できない」と述べるにとどめた。
アルバレスさんは2017年の第1次トランプ政権当時、麻薬密売グループと関わったとの疑いが持たれ、制裁対象になっていた。しかしその後「不動産購入のために連絡をしただけで、(麻薬密売)業者だということは知らなかった」と説明し、これが認められて2022年に制裁リストから外れた。
キム・ガヨン記者